「炊飯器」と「土鍋炊飯」では、かかる「光熱費」に違いはある?「直火で炊いた方がお米がおいしくなる」って本当なの?
「毎日の食卓にふっくらと炊き上げた白いご飯を欠かすことができない」と考える人は多いでしょう。ご飯を炊くには炊飯器や土鍋を使用する方法がありますが、それぞれの場合で光熱費に違いがあるのでしょうか。 そこで今回は、炊飯器で炊いた場合の電気代と土鍋で炊いた場合のガス代を比較します。それぞれのメリットやデメリットも解説するため、参考にしてください。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
炊飯器で炊いた際にかかる電気代
最初に炊飯器でお米を炊いた場合にかかる電気代を計算してみましょう。炊飯器による1回当たりの炊飯時の消費電力量は機種や機能、炊飯メニューにもよりますが、140ワットアワーから250ワットアワーほどのようです。 電気代を求めるにあたっての電気代単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める1キロワットアワー当たり31円とします。それを基に計算すると、炊飯器でお米を炊いた際にかかる電気代は4.34~7.75円ほどになります。
土鍋で炊いた際にかかるガス代
次に土鍋を使ってガスでお米を炊いた場合にかかるガス代を計算してみましょう。 土鍋での炊飯には中火や弱火など火力の調節が必要ですが、仮に中火で10分ほど加熱し沸騰した後、15分弱火で炊いたとします。その際にかかる出力は、それぞれ以下の通りとします。 ・弱火の場合:約0.38キロワット ・中火の場合:約1.68キロワット 東京ガスの一般契約料金表のB表の1立方メートル130円として計算すると、土鍋で1回の炊飯にかかる光熱費は約3.9円です。土鍋で炊いた場合のガス代の方が炊飯器の電気代と比べて、安くなるようです。しかし土鍋の大きさやお米の量によって加熱時間が変わる可能性があります。 また、土鍋による炊飯は炊飯器のように保温ができないため、毎食温かいご飯を食べるには1日に何度か炊飯をする必要があるでしょう。その場合は、土鍋と炊飯器による光熱費の差はあまりないと考えてよいかもしれません。
炊飯器と土鍋炊飯における光熱費以外のメリットとデメリット
ここでは炊飯器と土鍋炊飯においてそれぞれ考えられる、光熱費以外のメリットとデメリットをご紹介します。 ■炊飯器のメリットとデメリット 炊飯器でご飯を炊く最も大きなメリットとして考えられることは、炊飯ボタンを押すだけで誰でもおいしいご飯を炊くことができる点です。タイマー機能を使えば、都合に合わせて炊きたてのご飯が食べられるでしょう。 また炊飯器の多くが電気を使うため、火事や火傷の心配が少ない点もメリットとして考えられます。 一方のデメリットとしては、強い火力で炊き上げる土鍋炊飯と比べて、炊飯に時間がかかることや、多くの機能を兼ね備えた炊飯器そのものの価格が高いことが考えられます。 ■土鍋炊飯のメリットとデメリット 土鍋炊飯の最も大きなメリットとして考えられることは、炊きたてのご飯がおいしく食べられることです。土鍋は熱を伝えにくい材質で作られており、熱しやすく冷めにくい性質を持っています。 そのため、お米本来の甘味を引き出し、じっくり熱が通ることで水分が芯まで行き届き、冷めても硬くなりにくいふっくらとしたご飯を味わうことができるようです。ほかにも、炊飯器での炊飯と比べて短時間で炊けたり、土鍋そのものの価格が安かったりするなどのメリットが考えられます。 一方のデメリットとしては、火加減などを間違えると焦げてしまったり、火を使うため危険がともなったりするなどが挙げられます。