止まらないせき、脱水で点滴

この夏、記者の小学1年の長男がマイコプラズマ感染症にかかりました。完治まで1カ月に及んだ日々を読者の参考になればと振り返ります。 6月下旬、夕方に習い事先から子どもの微熱を知らせる電話があり、そのままかかりつけの小児科に直行しました。病院に着いて体温を測ると38.6度。せきも少し出始め、ぐったりした様子でした。 医師からは当初「夏風邪」の診断。5日間熱が下がらなければ再受診をすすめられ、この日はせき止めや解熱剤などを処方されて帰宅しました。 それから5日間、38～39度前後の熱が続き、せきは日を増すごとにひどくなるばかり。新型コロナや他の重篤な病気も頭をよぎり、医療機器が充実している別の病院を受診することにしました。 医師は問診を終えると、「マイコプラズマがはやり始めている。学校ではやっていませんか」と一言。「長男の上の学年でマイコプラズマが数人出ている」と伝えると、すぐに迅速検査を行い、結果は「陽性」でした。胸部X線検査も行いましたが、幸い肺炎一歩手前で「マイコプラズマ感染症」の診断がつきました。 特効薬となる抗菌薬をもらい、ホッとしたのもつかの間。長男の発熱から6日目に親の私も発熱し、同じ病院でマイコプラズマ感染症と診断されました。最悪なことに夫は出張のタイミング。ひとり元気な下の子の面倒を見る余裕もなくなり、九州から義母を呼び寄せました。 私自身は薬ですぐに良くなったものの、長男は抗菌薬を投与後も簡単には熱は下がらず、食事はおろか、水分補給さえも受け付けられなくなりました。長男は発症7日目の夕方、ついに尿が出なくなり、病院を再受診。今度は脱水と診断され、1時間ほど点滴治療を行いました。この時、尿検査のために採尿すると出てきた尿がコーヒーのような色で、ぞっとしたのを覚えています。 点滴をしてからは「もう注射は嫌だ」と本人も水分や食事の摂取に積極的になり、薬の効果も表れて、ようやく回復の兆しが見え始めました。しかし1週間で体重は3キロ減少。点滴とあわせて行った血液検査の結果を聞くまでは、なかなか安心できない日が続きました。 結局発熱は10日、せきは1カ月続き、体力が落ちて疲れやすくなり、登校するためのリハビリが必要なほどでした。夏休みに入ってようやく体重も戻り、元の体力を取り戻すまでには1カ月半近くかかりました。 我が家の反省は「水分補給のケアが適切にできていなかったこと」「親も感染してしまったこと」にあります。在宅勤務の傍ら看病をしていた日もあり、「もっと積極的に水分を取らせる工夫をしていたら、軽く済んだのでは」「自分が元気でいられたら、より早く脱水のサインに気づいてあげられたのでは」と長男に申し訳なく思います。 どんな病気にも言えることですが、発熱やひどいせきが続いたら、早めに医療機関を受診し、重症化のサインを見逃さないようにしっかりと子どもを見ることに尽きると思います。この体験記が、同じようにマイコプラズマに感染し苦しむご家庭の参考になれば幸いです。