スタイレム「リフィル」が「スキンアウェア」とコラボ “服は綿花畑から続くバトンのアンカー”
世界的に需要が高まるオーガニックコットンだが、生産に手間がかかるため流通量は綿花全体の1%未満と少なく、価格が割高なのが現状だ。また、2020年には、オーガニックコットンの有力生産国であるインドで認証の大規模な不正行為が発覚するなど認証に対する信頼が揺らぐ“事件”が起きている。こういった現状を踏まえ、日本の商社はトレーサビリティを担保するオーガニックコットンのプロジェクトに各社取り組んでいる。「オーガニックフィールド」もその一つだ。
“畑に赴き、生産者と対話し、活動全体を支援することが大事”
今回「リフィル」が協業をした「スキンアウェア(SKINAWARE)」はオーガニックコットン&植物染めを用いたアパレル・インナーブランドで、エシカルファッションの先駆者的存在だ。認証オーガニックコットンだけを使用してきた可児ひろ海「スキンアウェア」デザイナーが「オーガニックフィールド」を採用した、その選択は「オーガニックフィールド」にとっては大きい。オーガニックコットンに見識がある可児は、今回の協業を決めた理由について次のように説明をする。「私のブランドは、糸段階から認証・認定を受けたオーガニックコットンを使うことをブランドの姿勢としている。同時に、生産者を増やすことの大切さも痛感しているので、生産者と直接つながり支援する『オーガニックフィールド』の取り組みに共感する。結局は人間がやることだから、畑に赴き、生産者と対話し、活動全体を支援することが大事だと思う。オーガニックの背景に関心が高いお客さんも増えてきたので、一緒に知識をつけるよいタイミングだとも思う」。
可児デザイナーと小和田ディレクターの付き合いは、20年近く。可児のこだわりを、生地オタクの小和田のこだわりが支えてきた。その関係性もまた長いサプライチェーンのひとつ、「結局は人間がやることだから」の一部だろう。「服のデザインのために生地を選ぶとき、最終的に見るのはスワッチだけど、その向こうには人がいる。オーガニック、サステナブル、フェアトレードと、言葉は色々あるが、畑でコットンを栽培している人たちの姿を見たとき“この人たちと作っているのだ”実感し、服は畑から続くバトンをお客さんに渡すアンカーなんだと腑に落ちた」と可児。1型だけのTシャツにおいて協業したコトとは、畑までさかのぼったモノづくりのストーリーであり価値観だ。