高収入のはずが?「地元の同級生の選挙応援」にはまった夫の「浮気を超えた非情」
生活費も出していなかったのに…
以上を依頼者・由紀子さんに報告すると「やっぱりそうでしたか。でもなんか、ホッとしました。この女性なら、お金を使わなさそう」と言い、由紀子さんは本当にお金のことで不安を抱えているんだと感じました。 由紀子さんは私に相談した後、抱えていた不安やモヤモヤがスッキリして、娘たちに「パパとママは離婚するかもしれない」と告白します。すると、娘たちから「ママはよく怒ってるから、パパの方がいい」と言われたのです。夫は娘たちに「パパは君たちのために頑張って働いて、学校のお金を払っている」と言っていたとか。それなのにママはパパにきついことばかり言う……と娘たちに言っていたのです。 「ママが怒る原因は、パパがお金をくれないことだよ」とそれまでは言わずにいたことを娘たちと共有。由紀子さんは「娘の学費は母から出ているのに、いけしゃあしゃあと」と鼻で笑っていました。 それから、1週間、弁護士と相談しつつ、夫との離婚について話を進めていき、慰謝料や養育費、かつて支払った500万円を取り戻すことの計画を立てます。 「夫に離婚を切り出したら、“それだけはやめてくれ”というんです。土下座して“この通りだ”と。何かがおかしいと思って、母に連絡したんです。母は“夫婦は和合、家族は仲良く”という昔の価値観を持っており、離婚と言ったら絶対に反対する。だから事後報告しようと思っていたんです」
「彼に500万円くらい用立ててるんだけど」
すると母は、「え、離婚するの? 私、彼に500万円くらい用立てているんだけど」と言ったそうです。夫は後輩に奢ったり、接待をするたびに給料を使い果たし、由紀子さんのお母さんにまでお金を借りていたのです。 「夫の年収って1300万円くらいあるんですよ。それなのに、私から借りた金を返さず、さらに妻の母から金を借りるっておかしいですよね」 離婚を進めるにあたり、会社で積み立てている財形などから慰謝料や養育費を払ってほしいと言ったところ、「もう解約した」と。さらに生命保険などもないと言われたそう。 「見栄っ張りで、親分肌で散財しまくっていたってことですよ。あと、ギャンブルも一時期ハマっていたそうです。さらに、地元で会っていた女性のマンションの礼金・敷金も出してあげていた。あの女性とは別に、同級生ともダブル不倫をしており、ラブホの明細は同級生と行ったとか。エリートだけど、とんでもない男だったんです」 加えて、夫は実家にも援助をしていたそうです。夫の実家はある事業をしており、弟があとを継いでいるそうですが、この円安で業績不振になり、生活費も心許なくなっているとか。 「夫は幼い頃から“デキる子”としてエリート街道を走って来ました。そういうこともあって、色々辛かったかもしれない。そういうことには同情しますが、ここまでだらしないと、私も娘も共倒れになってしまう。夫にはかわいそうですが、離婚して出ていってもらいます」 夫は最後まで「お前を愛している。別れないでくれ」と泣いていたそうですが、由紀子さんは心を鬼にして追い出します。夫婦が重ねてきた15年の歳月の重みもあり、離婚届を提出するときは、手が震えたそうです。 「やっぱり離婚をやめようかと何度も思いました。でも、娘たちには頼れる優しい父という姿を見せて、私のことをガミガミババアと陰で言っていたことを思い出し、心を鬼にして離婚届を書いて、提出しました」 由紀子さんは今後、塾講師の正社員になるために頑張りつつ、教育系のコンサルタントとして独立したいという夢を語ってくれました。「専業主婦のままだと、見えなかった未来です」と言い、今後、娘たちのためにも頑張ると話していました。きっと由紀子さん三人の親子の未来は明るいでしょう。 夫も金銭的に頼れる妻から離れれば、きっと人生の軸が定まるはず。人生100年時代、いくつからでもリスタートはできる。その先に、由紀子さん一家が再び出会う日があるかどうかわかりませんが、皆の幸せを願ってしまいました。 調査料金は40万円(経費別)です。
山村 佳子(探偵事務所代表)