パリのパティシエが教える「エクレア」フランス人が愛する代表的お菓子を自宅で
材料(約6~8個分) ■エクレア生地 水 50g 牛乳 50g 無塩バター 45g 塩 2g グラニュー糖 2g 薄力粉 60g 卵 100g(2個) ■クレーム・レジェール カスタードクリーム 200g 生クリーム 50g 好みのフルーツ 適量 粉糖 適量 ■下準備 ・ベーキングシートに鉛筆で10㎝幅に2列、線を引く(写真上参照)。 ・ベーキングシートを裏返し、天板にのせる。 ■作り方 1 鍋に水、牛乳、無塩バター、塩、グラニュー糖を入れて温める。混ぜながらバターを溶かし、沸騰したら火からおろす。シュー生地は力をしっかり入れてまとめていかないといけないので、混ぜる道具は木ベラがおすすめ。 2 薄力粉を一気に加えて、木べらで手早くかき混ぜる。水分を薄力粉に一気に吸わせるのがポイント。ダマができないように、薄力粉を加えたらすぐに力強く混ぜる。 3 粉気がなくなるまで混ぜたら、再び火にかけ(中火から強火)、木ベラで鍋底をこそげるように力強く混ぜる。 4 加熱しながら水分を飛ばし、生地が一つにまとまって鍋肌から離れるようになったら火からおろす。 5 ボウルに移して、粗熱を取るために軽く練りながら温度を下げる。表面にツヤが出てくる。卵は60℃くらいで固まるので、ここで人肌より少し熱いくらい(45~50℃)までに下げておく。 6 5に溶いた卵を3~4回に分けて加え、加える度に生地と卵をしっかり混ぜる。 7 ヘラで生地をすくうと最初にボタっと落ち、後を追うようにリボン状に落ちていくような状態に整える。生地はツヤがあり、なめらかな状態。加える卵の量は、生地のかたさを確認しながら調整する。 8 金をつけた絞り袋に7の生地を入れ、10㎝幅の線の間に細長く絞り出す。口金は星形でも丸型でもOK。写真のように、絞り袋を少し浮かせるときれいに絞れるので、もう一方の手の人差し指を口金に当てて、口金を浮かせるとよい。 9 生地の表面に溶き卵(分量外)を塗る。凹凸があれば、塗りながら刷毛を左右に動かして表面を平らにする。 10 9の生地の半分に砕いたヘーゼルナッツとアーモンド(各材料外)をのせる。生地はこの状態で冷凍可能。冷凍する場合は、ベーキングシートごと冷凍庫へ。固まったら密閉容器に入れて保存する。 11 190℃のオーブンで20分焼き、180℃に下げてさらに10分焼く。焼成中はオーブンの扉を開けないこと。焼成途中で開けると、膨らんでいた生地がしぼんでしまう。絞り袋に残った生地も一緒に焼いてしまおう。 12 クレーム・レジェールを作る。カスタードクリームは冷蔵庫から出し、泡立て器で混ぜてなめらかにする。カスタードクリームは前日に作っておいてもOK。生クリームは7分立てにする。 13 カスタードクリームに泡立てた生クリーム1/3量を加え、泡立て器でなめらかになるまで混ぜ合わせる。 14 残りのクリームを加え、ヘラに持ち替えて、全体をよく混ぜ合わせる。 15 11の焼き上がった生地を写真のように、上下1:2くらいの割合で横に切る。下の部分の生地を指先でやさしく潰しながら空間を作る。 16 丸口金をつけた絞り袋に12のクリーム・レジェールを入れ、13の生地の下部分に絞り入れる。このサイズには大きめの6番の口金を使用。小さいとクリームを押しつぶしてしまうので、大きめがよい。 17 いちごは縦半分に切る。マンゴーはエクレアの生地にのせられる大きさに切り、グラニュー糖少々(材料外)と、ライム(材料外)の皮をすりおろしてあえる。14の生地の下部分に並べ、上部分で蓋をする。器にのせ、粉糖を茶漉しなどで振る。 長江桂子(ながえ・けいこ) 学習院大学を卒業後、ソルボンヌ大学に留学。ル・コルドン・ブルーでディプロマを取得。「ラデュレ」を経て、ロンドン「スケッチ」のオープニングスタッフに。2003年ヤニック・アレノ率いる「オテル・ムーリス」、2004年「オテル・ランカスター」シェフパティシエ、2008年パリ「ピエール・ガニェール」シェフパティシエを歴任。2012年、ガストロノミー界のコンサルティング会社「AROME」をフランスで設立。パリを拠点に、世界各地にて菓子ブランドや店舗の立ち上げ、商品開発、技術指導、監修などを手がける RECIPE BY KEIKO NAGAE, TEXT BY MIKA KITAMURA