中学受験の志望校選び、本当に子どもの意思は尊重したほうがいい?【受験指導専門家が解説】
中学受験準備のスタートが遅れてしまったら? 志望校選びで保護者ができることは? 母親と父親の意見が合わないときは? “にしむら先生”としてYouTubeチャンネル登録者数10万人超、受験指導専門家・西村創先生にお話を聞くシリーズの最終回。中学受験にまつわる疑問とお悩みに、答えていただきました。 自由型と管理型、ほぼ同じ能力の双子が真逆の私立中学に入学した、わが家のリアルレポート
まだ間に合う中学受験準備のスタート時期は?
西村先生のインタビュー第4回では、中学受験のための塾や家庭教師は、子どもが小学校3年生のころに始めるのがおすすめ、というお話を聞きました。 では、小学校3年生が終わる段階で、塾選びがスタートできていなかったら? 4年生・5年生になってからでも中学受験に間に合うのでしょうか? 「4年生になったばかりの時期だったら、まだまだ遅くないと思います。塾の勉強と、日常生活の中でのいろいろな体験――例えば家事のお手伝いとかーーを同時並行でやっていく。受験まで3年弱ありますから、保護者の方もあまり焦らず大きく構えていいんじゃないでしょうか」 しかし5年生になってしまうと……。 「5年生になるとキツイかもしれません。全学年を通して、5年生は非常にカリキュラムが詰まっている時期なんです。5年生で、中学受験に必要な知識をほぼ全部入れ終わります。それで、6年生からは入試対策に集中するようになります」
5年生からでも遅くない志望校選びとは?
5年生になったときに塾に入っていない、日常生活での知識の積み重ねもあまり積極的にできていない。 そうなるともう、中学受験はあきらめたほうがいいのでしょうか? 「あきらめる必要はないと思います。中学受験に何を求めるか、が重要ですから。偏差値60以上のところを狙わなくてもいいんです。例えば、お子さんが鉄道が好きだから、鉄道研究会のある私立に行きたい、とか。楽器が好きだから、吹奏楽部が有名なところや、音響設備の整ったホールのある私立を目指すとか」 たとえ5年生の時点で偏差値が40台でも、行きたい学校があればそこを目指せばいい。偏差値にとらわれない学校選びが大切ということになります。