AIの電力需要で公益事業株に脚光、大型ハイテク銘柄に代わる存在に
ビストラとコンステレーションの株価は最近、過去最高値を更新した。両社は独立系電力事業者(IPP)であり、規制された電力会社とは異なり、市場価格で電力を販売している。
マイクロソフトとの取引以来、複数のアナリストがコンステレーションの目標株価を引き上げているが、グッゲンハイムのアナリストはIPP株について、最近の上昇の後でも上値余地があるとみている。
シャリアー・ポレザ氏率いるグッゲンハイムのチームは、電力市場の成長余力や大型データセンターとの取引、キャッシュフローの強さにより、さらなる成長が見込まれると記述。セクター全体の投資判断を「買い」とし、ビスタとコンステレーションの目標株価をウォール街最高に設定した。
トータス・キャピタルのサメル氏はさらなる取引を予想している。これらのIPPは、アマゾンやグーグル、メタのような大規模クラウド事業者にとって、最初の電力提供者になり得ると指摘している。
最近のハイテク株の荒い値動きとは対照的に、電力株はディフェンシブ銘柄とみなされるメリットもある。その手堅い配当は利下げの恩恵を受けるはずだ。
こうした要因によって、S&P500種の公益事業指数は年初来で25%上昇し、S&P500種全体をアウトパフォームしている。従来なら退屈とも評される同セクターは年間で2000年以来の大幅高になる勢いだ。
最近の上昇の後でも、公益事業株の双璧をなす同2社はハイテク企業ほど割高ではない。ビストラの予想株価収益率(PER)は約20倍と、ナスダック100指数の約26倍を下回っている。コンステレーションはおよそ31倍。一方、エヌビディアは36倍となっている。
原題:AI’s Thirst for Power Turns Utility Stocks Into Big Tech Proxies(抜粋)
--取材協力:Subrat Patnaik.
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Carmen Reinicke