道長の甥「藤原隆家」天皇に放った“驚愕の一言” いったい何があったのか?道長との逸話も紹介
■一条天皇の言葉を聞いた隆家の一言 注目すべきは「敦康親王の立太子はできない」という一条天皇の言葉を聞いた隆家の想いです。 『大鏡』によると、隆家はこのとき「人非人が」と嘆声を発したとされます。隆家の激情が読み取れますが、天皇に対して「人でなし」とは余りにも恐ろしい言葉です。 世間では「敦康親王が即位して、隆家が政治を補佐したなら、天下はよく治まるだろう」(『大鏡』)との声もあったようです。隆家は後に太宰府において善政を施したと言われますが、果たして、天下の政も上手く捌けたのでしょうか。
(主要参考・引用文献一覧) ・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007) ・繁田信一『殴り合う貴族たち』(KADOKAWA、2008) ・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)
濱田 浩一郎 :歴史学者、作家、評論家