世界でトップを誇る韓国製TV、中国市場で苦戦
【01月05日 KOREA WAVE】韓国のサムスン電子とLG電子のテレビ製品は、世界的な人気を誇る一方で、中国市場では消費者から敬遠されていることが明らかになった。中国市場では「愛国消費」や政府の補助金政策により自国ブランドが圧倒的なシェアを占めている。さらに、来年には液晶パネル価格の上昇が予測されており、韓国企業にとってコスト負担の増加が懸念される。 中国の市場調査会社「Runto Technology」によると、昨年11月の「独身の日」に絡む中国のテレビ市場におけるブランド製品の出荷量は381万5000台で、前年同月比6.9%増加した。中国政府が省エネ家電への15~20%の補助金を提供した結果、テレビ市場は年初の低迷を脱し、回復基調を見せている。 しかし、これらの補助金の恩恵を受けるのは、ほぼ中国国内メーカーに限られる。中国ブランドの国内市場シェアは96.5%に達しており、ハイセンスが23.9%でトップ、TCLやスカイワースなどの主要ブランド3社が合計58.5%のシェアを持つ。 一方、外国ブランドの市場シェアは5%未満にとどまっている。ソニーやサムスン、シャープ、フィリップスなどの大手も苦戦を強いられている。サムスン電子は世界のテレビ販売市場で19年連続1位を達成すると見込まれているが、中国市場でのシェアはわずか1%台にとどまる。 サムスンは2021年、ハン・ジョンヒ副会長の直轄で「中国事業革新チーム」を設立して市場拡大を図ったが、成果は限定的だ。LG電子も売上高ではサムスンに次いで世界2位だが、出荷量では中国ブランドに2位の座を奪われている。業界では、両社の2024年第4四半期の業績も厳しいものになると予想されている。 さらに2025年、中国メーカーの攻勢は一段と激しくなりそうだ。補助金効果による販売増加で、安定していたテレビ用LCDパネルの価格が再び上昇傾向にある。今月はパネル価格が全面的に上昇し、大型サイズの値上がり幅が大きいと予想されている。 業界アナリストは「部品価格の上昇は韓国メーカーにさらなるコスト負担をもたらし、競争力に影響を与える可能性がある」としており、来年の市場環境が韓国メーカーにとって一層厳しいものになると見られている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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