アジア太平洋アマで中野麟太朗を抑え優勝した中国のウェニー・ディンがマスターズ出場権を放棄?【コラム】
太平洋クラブ御殿場コースで行われたアジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権で、かねてからプロ転向を表明していた中国の19歳、ウェニー・ディンが日本のエース・中野麟太朗(3位)に2打差をつけ栄冠に輝いた。 優勝すれば来年のマスターズと全英オープンの出場権が手に入るとあってアマチュアにとっては憧れの大会。2010年に優勝した松山英樹は翌年のマスターズでローアマに輝き、その10年後にはアジア勢で初のマスターズチャンピオンに輝いた。 アマチュアなら誰もがその道を理想型として追いかけるが、ディンが選んだのはどうやら違う道のようだ。 大会前から「これがアマチュア最後の試合だと思っている。来週にはプロ転向します」と宣言しており、アマチュアのステータスをキープすれば2つのメジャーに出られる資格を現時点では放棄する見込みだ。そうなれば大会始まって以来、前代未聞の事態。 「この大会に出るのは4回目で3年前は緊張して思うようなプレーができず、2年前に初めて上位争いをし、去年はプレーオフに敗れて2位。今年こうして優勝できてとても満足だし自分のゴルフが進化していることを実感しました」 2022年に中国人として初めて全米ジュニアに優勝。先月、アリゾナ州立大学2年の課程を終了したばかりの彼は、プロ転向を視野に今年、積極的にDPワールドツアーやPGAツアーに参戦してきた。 経験を積み「プロとして戦える」という実感を得ての決断だが、アジアパシフィックで付与されたマスターズ&全英オープン出場の特典はプロになった時点で適応されない。 「そこが少し問題ですが、これ(特典)がなくても必ずメジャーに出ます。アマチュア最後の試合で勝てて良かった」と力強く語ったディン。 目指すは母国のヒーロー、リー・ハオトン。「メジャーで上位争いする姿がカッコよかった」とDPワールドツアー3勝の先輩の背中を追いかけるつもりだ。