止まぬ電話とスマホの通知音でパニックに 一本の記事が老舗「鯱もなか」大ブレイクを演出した
名古屋の銘菓の復興を大きく後押ししたのは、若夫婦の頑張りを紹介するYahoo掲載の記事だった。殺到する注文と激励の書き込みで廃業寸前だった老舗は一気に息を吹き返す。「鯱もなか」を経営する古田憲司氏の著書「鯱もなかの逆襲」(ワン・バブリッシング)から一部抜粋し、紹介する。 【写真】金鯱のルーツは?解き明かした人はこちら *** 元祖 鯱もなか本店が感謝してもしきれないほどお世話になったキーパーソン“名古屋ネタライター”大竹敏之さん。何を隠そう、「鯱もなか」が大バズリしたきっかけであるYahoo!ニュースの記事を書いてくださった張本人です。僕がもともと大竹さんの大ファンで、偶然参加したイベントでご挨拶をしたことからご縁が生まれました。 2021年9月。熟考を重ねて作成したプレスリリースを思いつく限りのメディアに送ってみたものの、なかなか思うような反応はありませんでした。そこで浮かんだのが、大竹さんでした。さまざまな媒体で記事を書かれている大竹さんなら、懇意にしているメディア担当者を紹介してくれるかもしれない。一方的でわがままな申し出とわかっていましたが、一縷の望みを託して大竹さんにメッセージを送りました。 すると驚いたことに、その日のうちに返信があり、翌日にはお店を取材してもらえることになりました。まさかの急展開。このときのことを大竹さんは次のように語ってくれました。 「届いたメッセージを見たら、ものすごい心意気じゃないですか。古田さんは不動産業もやられていたと聞いていましたから、ほかにもっと利益を出すビジネスを知っているだろうに……、なんて(笑)。和菓子屋を営むことは、相当大変ですよ。それでも跡を継ぐと決めた。ただ想いが先走っているわけではなくて、いろいろと計画的に取り組んでいることもプレスリリースを読んでわかったので、ぜひ私に取材させてよ! 連載しているYahoo!ニュース』で記事を書くよ! とお返事しました」