横浜DeNA泥沼7連敗のなぜ?
阪神への苦手意識
だが、ラミレス監督の采配にも焦りは見えた。足を絡めてチャンスを広げようと、才木の立ち上がり、先頭の神里がライト前ヒットで出塁すると続くソトの打席で盗塁を仕掛けて失敗した。配球を読み間違い、捕手が最もスローしやすい内角高めのストレートで走らせてクロスプレーにもならずにアウトとなった。走者がいなくなってロペスにヒットが出た。典型的なチグハグな攻撃になった。 筒香が受けた死球からすべての歯車が狂ったのは確かだが、対阪神に限っては、昨年からの苦手意識というものもある。 今年の沖縄・宜野湾キャンプでラミレス監督は、視察に訪れた阪神の掛布雅之SEAに対して「阪神とは相性が悪いので知らないうちに意識過剰になっていた。今年は阪神との対戦がポイントになる」と語っていた。昨季は対阪神に8勝17敗。横浜スタジアムでの戦績は3勝10敗である。対阪神のチーム防御率の4.81は、5球団のうちワースト、被本塁打、25本も、対巨人と並ぶ4位タイの数字。対阪神のチーム打率.247も平均の250よりも下がる。つまり阪神に対しては「打たれる」「打てない」の最悪の巡り合わせとなっている。 昨季セ・リーグでトップの185本塁打をマークした横浜DeNAにとって狭いハマスタは有利に運ぶはずだが、本拠地で一発の出ない阪神がここでは、逆に恩恵を受けている。この日も、9回に代打・陽川が貴重なソロアーチでリードを2点差に広げた。 投手陣は「先に点はやれない」と丁寧に攻めようとして球威が落ち失投を打たれるという悪循環に陥ってしまっている。ルーキーの大貫も、6回2失点の力投はしたが、11日の甲子園での阪神戦で5回1失点でプロ初勝利を飾ったゲームとは違った配球を意識する余り、勝負どころで持ち球のツーシームを使わずに変化球を狙い打たれた。 阪神はチームとして変化球に的を絞ってきていた。糸井も追い込まれて落ちるボールに食らいつき3回に先制タイムリー。6回も大山、福留の連打から追加点を奪うが、2人共に落ちるボールを仕留めた。 試合後、ラミレス監督は、「試合的にはいい試合だった。大貫はいいピッチングをしたし、リリーフも頑張ってくれた」と、3失点の投手陣の健闘を称えた。前回、ルーキーにやられて学習した阪神ベンチの戦略の勝利とも言えるが、横浜DeNAバッテリーには、さらにその上を行く対応力が足りなかった。こういう悪循環を苦手意識、相性と呼ぶのかもしれない。 おそらくラミレス監督は、今日25日は、打線のつながりを呼び戻そうと打順を変えてくるだろう。阪神の先発は、左腕・岩田。技巧派の罠にはまる危険性が残るだけに、開幕投手を務めて復活を遂げた左腕・今永のピッチングに賭けるしかないのかもしれない。 「彼はナンバーワンの投手。今年は、ずっといいピッチングをしている。明日、強い期待感を持っている」 ラミレス監督は、そう話した。