レゴからグランツーリスモ3まで 自動車ライターを「クルマ好き」にしたおもちゃ達
グランツーリスモ3(プレイステーション2)
『グランツーリスモ3(Gran Turismo 3)』が英国で発売されたとき、僕は言葉を失った。その素晴らしいグラフィックや忠実に再現されたハンドリングのせい……ではなく、文字通り話すことが出来なかったからだ。 生後わずか14か月の僕は、話すことも歩くこともできなかったが、父のプレイステーション2のメニュー画面を親指でなぞるくらいはできた。 アストン マーティン・ヴァンキッシュ、パガーニ・ゾンダ、さらにはリスター・ストームなど、2001年当時入手可能だった最高級のマシンを紹介するそのメニュー画面は、なんと楽しかったことか。 『GT3』のおかげで、僕は家族の名前を覚える前に、街でクルマのメーカーやモデルを指差していたのだ。それは、クルマに生涯夢中になる、最初の決定的なきっかけだった。 (チャーリー・マーティン)
ケトラー・ケットカー(Kettler Kettcar)
このペダルカーの前面には「オリジナル・ケットカー(The Original Kettcar)」と書かれていた。 ペダルの位置は、わたしのひょろひょろの足で漕ぎ出すのに苦労する高さだが、すぐに回転が速くなり、足首にぶつかってしまう。 速くてステアリングは不安定で、ハンドル操作のブレーキが固いゴム製のリアタイヤを引きずっていた。 写真で見る限り、アンダーステアはよくあったようだが、急ハンドルでバックすれば、後輪がロックしてくるりと回転する。 ああ、幸せな時代だった。ジャンパーで作ったサッカーゴールとかね。 (マット・プライヤー)
手作りのステアリングホイール
わたしの両親はケチではなかった。正直だったのだ。そのように描かれたら、両親は憮然とするだろうが、3歳のわたしはただお得感を感じたんだと思う。 プレイステーションもいいけれど、時には雑誌広告から切り抜いたプジョー306のステアリングホイールを段ボールに貼り付けるだけでいいこともある。 わたしは想像上のクルマのハンドルを握りながら、家の周りを何度も長距離ドライブし、運動神経を鍛えた。 とはいえ、ボールをうまくキャッチできたことは一度もないが、ハンドルをくるくる回すのは大丈夫だ。 (イリヤ・ブラパート)
AUTOCAR UK(執筆) 林汰久也(翻訳)