【コラム】孤立の米国と開放の中国? 韓国経済の行方はどうなのか
中国の方坤駐韓代理大使は今月2日に開かれた2024韓中言論フォーラム開幕式の時、準備してきた祝辞を読まなかった。代わりに中国が施行中のノービザ入国措置について説明した。自身が考えても、これは中国の一方的対外開放意志の表れだという。その通りではある。中国は昨年12月からノービザ政策を展開し始めて、今まで韓国を含めて38カ国にその対象を増やした。 「立竿見影(竿を立てれば影ができる)」というほど効果はすぐに現れた。7-9月期中国入国外国人が820万人に肉迫し、前年比50%近く増加した。中国はまた、1日から中国と修交した低開発国家の100%関税品目に対して無関税特典税率を適用すると公表した。すべて相互主義に立ったものではない一方的措置だ。開放の中国という言葉が出ている。反面、米国は逆方向に進む様相だ。 ドナルド・トランプ次期大統領は世界各国に20%の普遍関税、中国には60%の高率関税をかけると脅しをかけている。また、8日には米国が北大西洋条約機構(NATO)から脱退する可能性もあるという衝撃発言を出した。国際経済がどうなっても、世界安全保障が不安定になろうが、米国の利益以外は何も考慮しないという意味にも解釈することができる。そのため米国の孤立主義回帰という言葉まで出ている。 ところが本当にそうなのだろうか。中国は開放的で、米国は孤立的なのか。表面には分からないが、実際は違うというのが少なくない中国専門家の考えだ。トランプが前に出す米国第一主義は米国が世界と別れようとするものではなく、もっと強硬な姿勢で世界秩序を導くという意志の発露だという。国際事務に参加しない過去の孤立主義に戻るのではなく、米国の利益に合うように国際秩序を仕切り直すという計算だ。 自由貿易ではなく互恵貿易をして関税爆弾で貿易均衡を合わせようとしているという。一方、中国の開放に対してはこれが真の開放なのか疑問を提している。中国の言葉では自由貿易を叫んでいるが、安全保障を前面に出して外国人管理者をスパイとして捕まえる形をどのように説明することができるのかという論理だ。中国は現在、外資誘致に熱心だ。ところが政治の必要に応じて経済需要はいつでも犠牲になりえるのが中国の現実でもある。 西側ではこのような中国を指して、政治改革なしにこれ以上の経済発展は望めないという主張が出ている。ところがこの言葉を聞くわれわれの顔がくすぐったい。中国ではなく韓国に対してのほうがふさわしい言葉ではないかと思うからだ。我が国も極めて後退した政治を改革しない限り、以前のような経済発展ははるか遠い。 ユ・サンチョル/中国研究所長・チャイナラボ代表