ACL決勝で20年越し再戦「オズの魔法使い」VS「ゴールエリアの荒鷲」
◆アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)▽決勝第1戦 横浜FM―アルアイン(11日・日産スタジアム) 【データ】横浜FMとアルアインの比較 決勝第1戦を翌日に控えた10日、両チームが横浜市内で公式会見を行った。初優勝を目指す横浜FMのキューウェル監督(45)、アルアインのクレスポ監督(48)は、2004~05年の欧州CL決勝で、それぞれリバプール(イングランド)、ACミラン(イタリア)の一員として対戦した間柄。世界的な名手として知られる2人が、監督となってACL決勝の舞台で“再会”する。 高い左足の精度から「オズの魔法使い」の愛称で親しまれた元豪州代表FWのキューウェル氏。そして「ゴールエリアの荒鷲」の異名をとり、アルゼンチン代表としてW杯3大会に出場したクレスポ氏。20年越しの“再会”にクレスポ監督は「アメージングな状況だ」と豪快に笑い「監督という立場で、若かりし頃のような試合ができるのはうれしい」と不敵に笑った。 欧州CLの舞台では、クレスポ氏が2得点を挙げるなどACミランが3―0でリードするも、リバプールが追いつきPK戦の末に頂点に立った。負傷で前半に退いたキューウェル監督は「いい思い出ではない」と言い、頂点を逃したクレスポ氏も「私にとって悲しい夜になった」と振り返る。“イスタンブールの奇跡”として語り継がれる激闘を消化不良で終えた両者は、その19年後、CLからACLに舞台を移して決勝で再び戦うことになった。 2チームはしぶとい戦いぶりで今大会を勝ち上がってきた。FW水沼宏太(34)が「指導者目線だけじゃなく、選手目線で『国際大会は難しいけどめちゃくちゃ楽しい。楽しむことが一番だ』って話してくれる」と語るように、両監督の選手としての類いまれなる経験値、勝負勘が還元されての決勝進出とも言えそうだ。キューウェル監督は「興奮でワクワクしている。全員の力で勝ちきりたい」と力を込め、チームをアジア一の称号に導くことを誓った。(岡島 智哉)
報知新聞社