40代以上6人に1人「男性更年期」 検査キット企業「スキンケア同様にホルモンケアを」
なんとなく不安になったり、いらいらしたり、急に大汗をかいたり…。ここまで聞くと、多くの人が「更年期障害」を思い浮かべるのではないだろうか。ただ、ホルモンの減少を要因とするこの病にかかるのは、女性だけではない。日本では近年、「男性更年期障害」の患者が増加し、40歳以上では潜在的に6人に1人が罹患(りかん)しているとのデータもある。ホルモン数値を手軽に測定できるキットを開発した企業は、「スキンケアのような位置づけで、ホルモンケアが社会に浸透してほしい」とする。 【チェックリスト】イライラし「お茶ぶちまけた」…男性更年期障害の主な症状 ■髪の毛10本で安定結果 女性の更年期障害は、女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」の減少、一方の男性更年期障害は男性ホルモン「テストステロン」の分泌減が、それぞれ引き金になる。女性ホルモンの減少は、女性では一般的に50歳前後で訪れる「閉経」と連動するが、テストステロンは、おおよそ40代から徐々に減ってくるものの、誰もに共通するはっきりした目安の現象はない。 大きく作用するのは、ストレスなど外的な要因だ。 更年期の男女の健康に関する情報発信やサービスを提供している「TRULY(トゥルーリー)」(東京)は今年3月、同社が開発した男性ホルモン検査キット「MENOPO CHECK FOR MEN」の実証実験を行った。 同キットは、毛髪10本を専用パッケージで同社へ送ると、約3週間で結果をLINE(ライン)で知ることができる。毛髪は抜く必要はなく、ハサミでカットすればOKだ。 血液からも測定可能だが、朝夕など採血の時間帯によってホルモン値が変動する。1カ月で1センチ程度伸びる毛髪を用いると、一定の長さがあれば数カ月分の値の平均値を算出できるため、より安定した結果が得られる。同社のキットでは、試料提供する毛髪は3センチ以上を推奨している。 実験は都内企業と共同で実施。企業側の20~40代の男性社員20人のテストステロン値をチェックすると、どの年代でも総じて、平均よりも低かった。相関が強かったのは「睡眠時間」で、1日の睡眠時間が4時間程度では、4段階で示されるランクが一番下だった社員もいたという。 ■男性更年期「よく知っている」2割届かず