牛乳以外にもいろいろな補給源が!若いうちから大切な「カルシウム習慣」について管理栄養士が解説します
カルシウムは骨の健康のために必要なだけでなく、体の中で様々な働きをしています。そのため成長期の子どもはもちろん、大人も継続的にカルシウムを摂る必要があるんです。月経や出産などのある女性は、特に骨粗しょう症に気を付ける必要があります。管理栄養士の宮崎 奈津季さんに、カルシウムについて、またその摂取のポイントについて教えてもらいました。 【画像5枚】骨粗しょう症が進行した骨のイメージ断面を画像で見る。カルシウムを多く含む食品や、効率よく摂取できる理想の料理例も!
カルシウムってどんな栄養素?
♦️「カルシウム=骨」以外にもいろいろな働きが! カルシウムは、体内で最も多く存在するミネラルの一つで、大人の体には約1kg含まれています。そのほとんどは骨や歯に、残りは血液中に存在しています。 カルシウムは、子どもの成長や発育には必要不可欠な栄養素で、成人における吸収率は25~30%といわれています。吸収されにくいミネラルですが、妊娠や出産、年齢、一緒にとる食品中の成分などによっても変わります。 ♦️丈夫な骨を作る カルシウムは骨や歯の主成分で、丈夫な骨や歯を作るのに不可欠です。食べ物から摂取したカルシウムは、体の中で骨や歯の材料である成分になり、骨や歯を作ります。 骨にはカルシウムを貯蔵する役割があり、血液などでカルシウムが不足すると骨にあるカルシウムが溶け出します。また、神経情報の伝達や筋肉の動きの調整にも重要な役割を果たしています。 ♦️不足するとどうなる? 成長期にカルシウムが不足すると、骨や歯の形成に影響が出てしまいます。高齢期では、骨がもろくなってしまう「骨粗しょう症」が多く見られます。 また、慢性的にカルシウムが欠乏すると、骨から血液中へのカルシウムを溶け出すのが過剰になり、余分なカルシウムが血管などに沈着することがわかってきています。 ♦️大人になってからも必要なの? 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、30代以上の女性の場合、カルシウムの推定平均必要量は550mg、推奨量は650mgとなっています。 しかし、「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、30代女性におけるカルシウムの平均摂取量は406mg、40代女性では441mgと、推定平均必要量を下回っており、kufura世代は摂取量が不足している可能性があると考えられます。 慢性的なカルシウム不足は、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病につながります。また、近年ではカルシウムをたくさん摂取している人は体重、体脂肪の増加が少ないという報告もあります。いずれにしても、大人も必要最低限の量はカルシウムを摂取した方が良いでしょう。