第2次森保政権、18戦目で初3バックに挑戦した狙い
◆26年北中米W杯アジア2次予選▽第5戦 ミャンマー0―5日本(6日、ミャンマー・ヤンゴン) 【写真】先発起用にこたえて2ゴールを挙げた小川 森保ジャパンの層がさらに広く、深くなった。湿度70%、大観衆のブーイングが響く完全アウェーをものともせず、3バックの挑戦を成功させた。格下のミャンマーとはいえ、前半のボール保持率は80%―20%と圧倒。厚みのある攻撃で5発を浴びせ「これから先のレベルアップのために攻撃のオプションとして3バックを使えれば」と森保監督は手応えを口にした。 昨年3月に始動した第2次森保政権は4バックを基本布陣としてきた中、18戦目(没収試合を除く)で初めて試合開始から3バックで臨んだ。狙いは守備固めでなく、攻撃強化にあった。中央で人数を多くかけ、開始4分に鎌田と旗手が狭いエリアで細かいパス交換からフィニッシュ。4バック時よりもクロスを送る位置は高く、飛び込む枚数も増え、チャンスと迫力を生み出した。 22年カタールW杯でもドイツ戦、スペイン戦で3バックを選択した。左に三笘薫、右に伊東純也と本職ウィングの選手をWBで配置。2試合とも2人の突破力を武器に0―1の後半から逆転勝利した。今回は中村に加え、後半は右に相馬、左に前田をWBに配置。3バックで戦える選手の数を増やし、完成度を高めた。 ドイツ1部のレバークーゼンが3バックを採用し、圧倒的な強さを誇り無敗で初優勝した。森保監督は4月に現地視察し「攻撃的で真ん中、サイドからも崩せる。幅を持って守れる」と分析していた。攻撃的な両WBの得点力をウリとするレバークーゼン。対して日本も中村が2得点、相馬がアシストと本職ウィングのWBがゴールに絡んだ。 3月に2次予選突破を決め、消化試合となった今活動でも初招集は0人。指揮官は新戦力より、久保や冨安、遠藤ら抜きのメンバーで3バックと組み合わせを試した。「戦術的に全体的に浸透度を上げ、最終予選につなげたい」。自身が広島を指揮してJ1を3度制した3バックを有効なオプションに加え、自身2度目の最終予選に向かう。
報知新聞社