写真家・岡部桃の個展がトーガ 青山にて開催 日本での個展は約4年ぶり
「トーガ 青山(TOGA AOYAMA)」は、展示プロジェクト「トーガ トライアングル(TOGA TRIANGLE)」で写真家、岡部桃の個展を開催する。 【画像】写真家・岡部桃の個展がトーガ 青山にて開催 日本での個展は約4年ぶり
同プロジェクトは、店内に展示スペースを設け「多角的に広がるローカル・コミュニティと連携しながら」エキシビションを開催する企画。九段下の成山画廊を招き、成山明光ギャラリーオーナーの協力のもと「長谷川サダオ 70s」「NAGNAGNAG」「池島康輔」、WANTO「路上のそれぞれの想い達」と4回の展示を開催してきた。岡部桃の個展「DILDO / Bible / ILMATAR」はその第5弾となる。
日本では約4年ぶりとなる岡部の個展では、性別移行した2人の恋人との関係を撮影した写真集「DILDO」、東京や宮城、インドで撮影した作品で構成した「Bible」から自身が選んだ8作品を、非性愛者である自身の妊娠・出産を含む6年間を切り取った「ILMATAR」から4作品をそれぞれ展示する。
独特な色彩で表現された作品は、深く愛した恋人との記憶の記録、死に対する絶望と恐怖、怒りの暴力的エネルギー、 過去との長く暗い葛藤の末に獲得した心象風景を写した私小説のようだ。震災、残骸、性別適合手術といったショッキングなイメージが奏でるエレジーは、 決して終焉の悲しみではなく、新しいエネルギーが生まれる原点、勇気ある葛藤を極自然に描いている。
成山画廊は、1997年にコレクション展、象徴主義の写真家ヴィルヘルム・フォン・グレーデン(Wilhelm von Gloeden)で開廊。以降は科学、医学、人類学を主題とした作品を取り扱い、新しい価値観を問う。丹念な取材で対象の内面をも描き出す諏訪敦、 一見ユニークだが痛烈な皮肉を秘めたコジマ・フォン・ボニン(Cosima von Bonin)のほか、彫刻家の池島康輔、画家の興梠優護、写真家の岡部桃、グラフィティライターのWANTOなど日本の若手アーティストが所属している。また、シュールレアリストのピエール・モリニエ(Pierre Molinier)やハンス・ベルメール(Hans Bellmer)、セシル・ビートン(Cecil Beaton)、矢頭保、明治期の医学写真、コナン・ドイル(Conan Doyle)の旧蔵品である心霊研究資料などをコレクションしている。