トランプ勝利で、年末までS&P500が上昇する3つの理由…ゴールドマン・サックスが指摘(海外)
ドナルド・トランプが当選したことで、S&P500は年末まで史上最高値になると、ゴールドマン・サックスはみている。 【全画像をみる】トランプ勝利で、年末までS&P500が上昇する3つの理由…ゴールドマン・サックスが指摘 不安定な政情が終わり、投資家が戻って、選挙後には上昇が加速するという。 トランプ政権下ではM&A活動が活性化し、株式にとって別の強気相場が起きる可能性がある。 大統領選挙が終わり、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は株式市場が上昇し続けると予測している。 大統領選挙でのドナルド・トランプ(Donald Trump)の勝利によって、S&P500、ダウ工業株平均、ナスダック100のすべてが史上最高値となり、企業寄りの政策を期待している投資家を喜ばせた。 ゴールドマン・サックスの米国株チーフストラテジストであるデービッド・コースティン(David Kostin)率いるアナリストによると、この勢いが続く3つの理由がある。 1つめは、大統領選挙後の政治的不透明感の低下により、通常は選挙年の年末には堅調なリターンの復活を後押しするからだ。 歴史的にS&Pは選挙日当日からその年の年末までに平均4%のリターンを生むと、ゴールドマン・サックスは言う。今回も同じことが起きるのなら、ベンチマーク指数は最大で6015近辺まで上昇し、予想株価収益率(PER)は22倍となる。 「選挙の不確実性が解消されるとともに、最近の経済成長データが堅調であることと、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げが、米国株の直近の健全な見通しを支えている」とアナリストは述べている。 だがゴールドマン・サックスは、米国債の利回りにおける急上昇は、選挙後の相場を曇らせかねないと警告した。10月、トランプ勝利の期待から、10年物国債の利回りはすでに4.4%以上に上昇しており、その可能性はある。トランプはアメリカで膨らむ債務の政治的解決策をほとんど示しておらず、これはトランプ政権下におけるアメリカの財政の軌道についての債権トレーナーの懸念の表れだと言う人もいる。 一方で、ゴールドマン・サックスは、株式市場はより強い経済の兆候を受けて、利回りの上昇を無視していると指摘する。 2つめは、投資家が株式に再配分することから、株式市場は上昇するはずだというものだ。 ゴールドマン・サックスによると、投資家は選挙の前に株式への投資を減らしており、ここ数週間、ヘッジファンドはネットレバレッジもグロスレバレッジも減らしている。現在、不確実性は低下に向かっており、投資家は市場にポジションを取る可能性があり、それによってS&Pの上昇があるとみられている。 3つめは、トランプ政権におけるM&AとIPO活動の活発化が株価を支えることだ。 近年の合併への規制は、次期大統領のもとで緩和され、企業の信頼性と現金支出を増やすとみられる。2025年の支出の4兆ドル(約600兆円)は、株主への支払いと成長への投資に使われると推測される。
Filip De Mott