定年後も住宅ローンが残っていると「老後破産」に!? 定年前に「繰り上げ返済」したほうがいいの? 注意点とあわせて解説
定年後も住宅ローンが残っていると、老後破産してしまう可能性があると聞いたことがあるものの、実際はどうなのか気になっている人も多くいるでしょう。老後破産を防ぐために、定年前に繰り上げ返済をするのも1つの方法です。 本記事では、老後破産の概要をはじめ、定年前に住宅ローンの繰り上げ返済をするメリットや注意点などについて解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
老後破産とは
老後破産とは、定年退職後の生活が苦しく、困窮する状態を意味します。老後破産の危機に陥る可能性があるのは、定年前の所得が少なかった世帯や、年金額が少ない世帯だけではありません。定年前の所得や年金額に関係なく、さまざまな理由で誰でも老後破産になる可能性があるため、注意が必要です。 老後破産になる理由としては、定年前と比べて所得が少なくなっているにもかかわらず、生活レベルを落とすことができず定年前と同じような生活を送っているケースや、定年退職後も住宅ローンの支払いが残っているケース、介護費や医療費が多くかかるケースなどが挙げられます。 中でも、本記事で取り上げるのは住宅ローンの支払いが残っているケースについてです。家を購入する時期が遅いなどの理由で住宅ローンの支払いが定年前までに終わらない人もいるでしょう。そのような場合は収入が少ない中でローンの支払いをしなくてはいけないため、老後資金を住宅ローンに充てざるを得なくなることがあります。その結果、経済的困窮に陥り、老後破産になってしまう可能性が高いといえるでしょう。
住宅ローンの繰り上げ返済の種類を知ろう
住宅ローンの支払いで老後破産に陥らないためには、住宅ローンの繰り上げ返済をするのも1つの方法です。繰り上げ返済には「全額繰り上げ返済」と「一部繰り上げ返済」の2つがあります。 全額繰り上げ返済は、住宅ローンの残り金額を一括で返す方法です。早めに全額を返すことで、老後までローン返済に追われる心配がなくなります。一部繰り上げ返済は、毎月のローン返済とは別に、ボーナスが支給された場合などにまとまった金額を返済に回すことで住宅ローンの残り金額を減らす方法です。 なお、一部繰り上げは「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類に分類できます。前者は、毎月の返済額は同じまま完済までの期間を短くする方法で、利息軽減効果が高い点が特徴です。一方、後者は返済期間を変えずに毎月の返済額を少なくできます。毎月の返済額が減るため、家計の負担を軽減できる点がメリットです。