自然環境の研究推進 大和村と東京農工大が連携協定 研究結果は地元へ還元
鹿児島県大和村と東京農工大学大学院農学研究院(船田良大学院農学研究院長)は2日、学術的調査・研究などに関する包括連携協定を締結した。農学研究院が村内の公共施設を活用して自然環境や生物などに関する調査研究を推進し、研究結果を地元へ還元するなどして、両者の人材育成や地域活性化を目指す。 大和村で現在整備中のアマミノクロウサギ研究飼育施設(仮称)の建設に向けた基本計画検討委員会に、同大学の教授を委員に委嘱した縁などから、村が連携協定を打診。大学側が快諾した。 協定締結式は同日、大和村防災センターであり、村議会議員や村内の駐在員(区長)、学校長など約30人が出席。伊集院幼村長と船田農学研究院長が協定書に調印した。 伊集院村長は「大和村を拠点に奄美の植物、生き物だけでなく農業分野まで幅広く研究者や学生が調査研究することで、地元住民との交流を含めいろいろな展開が始まることを期待している」と述べた。 船田農学研究院長は「本学はほぼ全ての農学系の研究者がいて、大和村では多くの研究ができると思っている。奄美大島は野生生物の宝庫なので、学生を連れてきてセミナーを開催するなどして、地元との交流も図りたい」と意気込んだ。 村によると、整備中のアマミノクロウサギ研究飼育施設に農学研究院の研究スペースを設けるほか、旧戸円小学校校舎跡を整備したコワーキング施設を学生用に提供し、フィールドワークの拠点とする。得られた研究成果は出前授業やセミナーなどを通じ、将来を担う地域の子どもたちなどへ還元して人材育成を図る。