まちから書店が消える『背景は?』ネット通販や電子書籍の普及前から全国で減少
■金龍堂まるぶん書店 荒川俊介店長 「本を売るだけでは商売が成り立たなくなってきている現状もあり、利益率の高い商品を併売して利益を獲得するという面もあります。ひと言で言うと、もう衰退の一途だと思っています。本の魅力に気づいていただけるような努力をしていかないといけないと常日頃、悩んでます」
■東島記者 「休業を決めた長崎次郎書店ですが、店の2階はカフェとして営業をしています」
村上春樹さんなどの人気作家も訪れた喫茶室は連日大人気で、海外からの客も少なくありません。こちらは書店が休業した後も営業を続けます。跡継ぎとして期待されている長崎右京さんはまだ大学生ですが、今後は、経営の厳しい書店とは違う形で地域の文化に貢献できないか考えています。
■長崎右京さん *崎は「たつさき」 「ちょっと形は変わるかもしれないですけど、 文化の発信をしながら、地域の方、県外の方、海外から来られる方もいらっしゃるので、多くの方に愛されるような場所にしていきたい」
では、本だけで書店が生き残ることはできないのでしょうか。長崎書店の長崎健一社長は、長崎次郎書店の休業を決めた後、業界団体に提言書を出しました。書店が生き残るためには…。長崎社長が込めた書店再建への思いが詰まっています。 *崎は「たつさき」
そのひとつがキャシュレスとポイント制です。本は原則、定価で売らなければならないと決まっています。しかし一部の通販会社は送料を無料にしたり、ポイントを還元したりする形で事実上の値引きを行っています。さらにキャッシュレスのための経費が、利益の少ない書店には大きな負担になっています。 提言では、キャッシュレス決済の客にポイント還元を認め、その補助を国にお願い出来ないかと提案しています。 日本から書店が姿を消しつつある状況を重く見た政府は、経済産業相直轄のプロジェクトチームを設置。経済産業相自ら書店を視察するなど対策に乗り出しました。5月には経済産業省の担当者が長崎書店を訪れてヒアリングを行いました。