半導体開発、設備共用へ 産学連携で裾野拡大狙う
文部科学省は、需要が拡大する半導体の研究開発を産学連携で進めるため、全国の研究機関に点在する設備を共用し、民間企業も含めた幅広い関係者が活用できる体制を整える。人工知能(AI)の普及で開発の世界的な競争は激化しており、省エネで高性能な次世代半導体の実現も見据えて、人材育成の底上げと裾野拡大を目指す。 半導体の製造工程は複雑で、新しい技術や材料を試しながら最終的な動作実証を行うまでには多種多様な設備が必要になる。全てを個別でそろえるのは難しいため、大学など約20カ所の研究機関の設備を外部の研究者らも使えるようにし、効率的に研究開発を進めるネットワークを構築する。 半導体の世界市場は2030年までに倍増し160兆円を超えるとの試算もある。だが日本の半導体産業は、かつて約50%もあった世界シェアが10%以下に低下。基礎的な研究開発を担う人材の層が薄いとの指摘もあり、人材育成の観点からも大学や企業などの幅広いユーザーが利用できる環境づくりを目指す。