【蒲郡ボート(ナイター)GⅠ周年記念】峰竜太 特別インタビュー/ダービーVの恩返しのVへ/8日開幕
オンオフくっきりでひらめきアップ
――強い選手はオフ時間をどう過ごしているのでしょう? 「家族との時間と趣味のサーフィンに使っています。レースとは完全に切り離して、トレーニングもしていません。そうすることで気付いたのは、いざ仕事でスイッチを入れたときに、その『オン』の状態が濃くなって、頭がしっかり働く。新しいものを取り入れようという冒険心やひらめきも生まれやすいということです。出走中も、宿舎でレースのことを考えるのはやめるようにしています」 ――考える時間は多ければ多いほど、プラスに働きそうなものですが。 「ひらめきのためにそれは無用です。深く考えると無難な考えに落ち着いてしまう。年を取ると考えが固まって、今までやってきたことの延長で進めようとする。それに、あすの気候がどうなるかも分からないのに、レース後すぐにペラ調整をしたり、宿舎で調整を考えたりしても、想像でするだけになってしまって、本当のひらめきは生まれません」
「体験でなく耳で覚えても価値は1割」
――弟子や後輩たちにもそのような内容を事細かに教えているのですか? 「技術を伝承していきたいとは思いますが、自らの経験として学んでほしいので、口では言いません。耳で覚えたことはすぐに忘れるし、体験して覚えたことの1割程度しか身にならない。答えを先に聞くのではなく、僕を見て、盗んでほしいですね」 ――素晴らしい人生訓の一つ一つに、今回の蒲郡周年で聞ける言葉も楽しみでなりません。 「優勝すればまたファンが湧くのは間違いない。ダービーのVだけで忘れられたくないし、あのときに自分も過去で一番の感動をもらったので、その恩返しがしたい。優勝することが蒲郡への還元になるなら最高です」
プロフィル
◆峰竜太(みね・りゅうた) 1985年3月30日生まれの39歳。佐賀県唐津市出身。唐津西高卒業。登録番号4320。2004年11月にデビューの95期。05年11月にからつで初優勝。GⅠは09年2月、芦屋の九州地区選で初Vを挙げ、64優出19V。SGは17年7月のまるがめオーシャンカップで初制覇し、28優出6V。一般戦も含めた全成績は264優出102V。20年には史上初めて、MVP、記者大賞など年間タイトル5部門を総なめにした。23年は8度目の最高勝率のタイトルを受賞。173センチ、51キロ、B型。