【更年期を迎える50代】避けて通れない「体の不調」どうしたらいい?
Q.漢方では効くまでに時間がかかりそうで、HRTはよくわからない。どの治療法がいいでしょう?(52歳・主婦)
A.漢方は冷えや肩こりに効果的。HRTは更年期症状全般に◎ 「漢方、HRTそれぞれに得意分野やメリット、デメリットが。更年期症状に効く漢方は『当帰芍薬散』『加味逍遙散』『桂枝茯苓丸』などがポピュラーで、冷え症や肩こりなど慢性的な不調の改善にはいいといわれます。ただ『この症状にはこの漢方』という感じで、不調が多いと何種類も必要になり、効果を感じるまで1カ月はかかるのが普通。体に優しいイメージをもつかたも多いですが副作用もあります。HRTはそれだけでほぼすべての更年期症状に効きますが、乳がんの人には使えないなど条件も。漢方とHRTは併用もできるので、相談してみても」
Q.更年期症状がないのですが、エクオールのサプリなど積極的に取り入れたほうがいいのでしょうか?(48歳・会社員)
A.サプリはHRTが使えない場合におすすめです 「エストロゲンと似た働きをするエクオールを配合したサプリメントが、近年多く出ています。HRTが使えない人(乳がん、血栓症の既往歴があるなど)にはサプリもいいと思いますが、更年期症状がなくても将来の骨や血管のために有効なのはHRTです。症状がないからといって婦人科にまったく行かないと、病気の発見が遅れるなどのリスクも。子宮体がんや卵巣がんは50代からかかりやすくなるので、特に悩みがなくても一年に一回の婦人科検診はマストです」
Q.手指関節に痛みがあります。リウマチではないといわれたのですが……(60歳・会社員)
A.更年期の典型的な症状「へバーデン結節」かも 「関節に痛みが出たり変形する病気にリウマチがありますが、リウマチは第二関節に出ることが多いです。血液検査をすればすぐにわかるので、リウマチではなくかつ第一関節に痛みや腫れ、こわばりがあるようなら、『へバーデン結節』である可能性が高い。更年期の女性に多い関節の病気です。HRTは、ある程度、予防や進行を遅らせる効果があるので、婦人科で対策を相談してみてください」
Q.更年期に入り、コレステロール値が年々上がっています抑えるにはどうしたらいい?(56歳・パート)
A.コレステロール値だけで心配する必要はありません 「悪者にされがちなコレステロールではありますが、実は女性ホルモンの原料でもあります。更年期になり卵巣機能が衰えて女性ホルモンを作り出す力が衰えていくと、原料が余ってしまう。だからコレステロール値が以前より高くなるのは自然なことであり、気をつけていても上がっていくものなので、中高年男性の中性脂肪と同じように扱うのは間違いです。コレステロール値に加えて肥満や高血圧、血糖値の急上昇などの症状が重なる場合は治療が必要ですが、コレステロール値だけが多少高い程度であれば、そこまで心配したり下げなくてはと焦らなくて大丈夫」