天山酒造で初しぼり 佐賀県産新米使い、味に切れ
小城市小城町岩蔵の天山酒造で15日、今シーズンの日本酒の初しぼりが行われた。猛暑の影響でコメの高温障害が心配されたが、佐賀県産の新米を使い、例年以上にシャープで切れのある新酒ができたという。 酒蔵での神事の後、関係者が10月23日に初仕込みした新酒の味を確認した。原料は佐賀市富士町の標高300~350メートルで育てた「日本晴」を使用した。 初しぼりは初冬の風物詩だが、「この時季に日中の外気温が20度を超すのは経験がない」と杜氏(とうじ)の後藤潤さん(58)。夏場も異例の高温が続いたが、フルーティーな香りで味も良い酒が完成し、後藤さんは「安心した」と話した。 今月上旬には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が日本酒などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。七田利秀会長は「業界にとっての喜び。輸出の励みにもなる」と語った。 初しぼりの酒は「天山しぼりたて生」として12月2日に蔵出しし、酒販店などに随時並ぶ。1・8リットル2805円、720ミリリットル1408円、300ミリリットル594円(税込み)。(古川浩司)
古川浩司