Googleの決算書、注目すべきポイントは? TAC:トラフィック獲得コストを理解しよう
もちろんこれは無料ではないわけで、Googleが広告主から受け取る広告費を、各ウェブサイトやアプリにおけるインプレッションやクリックに応じて売上を折半します。このかかったコストの総計をTACと呼んでいます。
TACは原価の一つで、大きくは2つで構成されます。 ・ブラウザプロバイダーや携帯電話会社などの検索ディストリビューションパートナー ・Google ネットワークパートナー
Googleの原価はTAC以外にもあり、データセンター費用やYouTubeなどのコンテンツ費用なども含めると、売上の42%ほどを占めます(2024年Q1決算情報から)。
決算発表で特に重視されるのは、このTACです。原価が増え、利益を圧迫することを金融関係者は好みませんので、TACが増えていないかは株価にも影響してきます。
TACの推移を見てみましょう。年間でいうと、2022年から2023年にかけては4%ほど増えています。
折れ線グラフはTACが広告事業売上に占める割合であるTACレートを示しています。これは大きな変動はなく、3年間ほどは21~22%で推移しています。 ただ、前述の通り、Google ネットワークの売上は続落しており、決算資料にも、TACが増えたのは広告主予算がGoogle ネットワークからGoogle 検索にシフトし、検索事業が好調だったため、検索ディストリビューションパートナーへの支払いが増えたから、と説明しています。 また、Google ネットワークのTACレートが若干悪化しているのは、パートナーへの支払いボリュームに比べ、収益パフォーマンスが悪化しているためと捉えることができます。
まとめ
いかがでしょうか。今回はGoogleの決算からTACの重要性を学ぶことができました。TACの概念は他のプラットフォーム企業、アドテク企業、パブリッシャーでも存在しますので、売上だけではなく、利益があがっているかを理解するために重要な指標です。ぜひ意識してみてください。