親子三代のボクシング界”ミライモンスター”松本圭佑がプロ転向。「井上尚弥さんの言葉に押された」「父のロマンを」
ボクシング界の“ミライモンスター”として子供の頃からテレビ番組に取り上げられていた松本圭佑(20)が20日、横浜の大橋ジムでプロ入りを表明した。父は世界挑戦経験が3度ある松本好二(50)で大橋ジムのチーフトレーナー。祖父の弘さんも東日本ウエルター級新人王の元プロボクサーで親子三代の”ボクシング遺伝子”を継ぐ松本は、「父を超えるイコール世界王者。東京ドームで試合のできる世界王者になりたい」と大きな夢を語った。松本は、3月11日に東農大の同期生で前日にプロ入りを表明した中垣龍汰朗(20)を相手にB級プロテストを受け5月28日に後楽園ホールでプロデビューする。
井上尚弥vsドネア戦が決め手
アスリートの金のタマゴを取り上げるフジテレビ系列の人気番組「ミライ☆モンスター」に、過去9度、取り上げられた。 「最多らしいです。高校でも優勝は一度、大学でも全日本で準優勝しただけなのに自分なんかが出ていいのかなと思っていました。でもプロ転向することになった今となっては、消極的にならず、逆にその知名度を生かして発信していきたいと思っています」 父は世界挑戦経験が3度ある元OPBF東洋太平洋フェザー級、日本同級王者で、引退後は、大橋ジムのチーフトレーナーとして元WBC世界スーパーフライ級王者、川嶋勝重、元3階級制覇王者の八重樫東を育てた。エディタウンゼント賞も受賞している。そして二人三脚で指導されてきた本人は、小5からU-15大会で5連覇。その血統と実力にテレビ局が天才ボクサーとして注目したのも無理はない。 東京五輪のホープとして期待されていたが、昨年、五輪代表候補を決める全日本選手権予選の関東ブロック大会で、日大の小川寛樹に敗れて夢を絶たれた。オーバーワークによる体調不良で、2ラウンドから体が動かくなり、試合後、控室で過呼吸が止まらず、嘔吐に加え、呂律が回らなくなり救急車で病院に搬送された。脱水症状を起こしており、1.5リットルもの点滴治療を受けた。 意識が戻ったとき、はじめて東京五輪への道が絶たれた現実を知った。「全日本もいけないのか、むなしい」と思ったが、「それほど落ちこむことなく、小さい頃から一番狙っていたのはプロの世界なんだ」と気持ちを切り替えた。 だが、まだ東農大2年生。卒業してからプロになるのか、今すぐ中退してプロになるのか、悩みに悩んだ。 ジムの更衣室でWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者、井上尚弥に「悩んでいるんです」と相談した。 モンスターは「プロへ行くなら早い方がいいよ」と答えをくれた。 中退してのプロ転向へ心が傾きかけていたとき、テレビでWBSS決勝の井上尚弥VSノニト・ドネア戦を見た。 「こんなに凄い人が同じジムで身近にいるんだ。こんなに恵まれた環境はない」 それが決め手になった。