西田敏行さんはアドリブ王 杖つき登壇→舞台裏で早歩き目撃談も
芸能界きっての〝アドリブ王〟だった――。 俳優の西田敏行さんが都内の自宅で死去したことが17日、分かった。享年76。 【写真】たけしと談笑する西田敏行さん 故三國連太郎さんとの掛け合いで人気を博した「釣りバカ日誌」シリーズをはじめ、数々の人気作品に出演。キャスト表では、いわゆる「トメ」と呼ばれる一番最後に〝鎮座〟し、物語に欠かせぬキーマンを演じる大物俳優だった。 直近では、今月8日にに行われた人気ドラマシリーズ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の「劇場版ドクターX」(12月6日公開)の完成報告会見に姿を見せていた。 西田さんと言えば、アドリブ演技の天才と称される。映画関係者は「100%アドリブ演技を入れてくる。他の俳優は西田さんがアドリブを入れてくることがわかっているので、いつも緊張していた。西田さんクラスともなると、監督もプロデューサーも何も言えない。〝西田ワールド〟を堪能させていただきました」と感謝する。 有名なのは、2017年公開の北野武監督の映画「アウトレイジ 最終章」だ。西田さん演じるヤクザが相手を脅す際に発した「迷惑もハローワークもあるかい!」のセリフ。これは西田さんのアドリブだった。 病魔にもたびたび襲われた。2001年11月に首の骨が変形し、手足のしびれなどの症状が出る頸椎症性脊髄症を発症。03年3月には心筋梗塞で緊急入院し、生死の境をさまよった。 2016年2月には自宅のベッドから転落し頸椎亜脱臼を起こし、同年4月に手術。直後には胆のう炎も発症し、同年6月に胆のう摘出手術を受けた。 近年は自力歩行が難しくなり、車イスでの移動がほとんどだった。一方でこんな目撃談も…。 「ある芸能イベントで西田さんが杖をつきながら弱々しく登壇したんです。客席は『大丈夫かな』と心配。ところが、舞台袖に引っ込むと、普通にスタスタと歩いて帰って行きました(笑い)。一部始終を見ていた人は口あんぐり。あれを見ていたので、最近の弱々しい姿も演技ではないかと疑っていたのですが…」(芸能プロマネジャー) 〝芝居は化かし合い〟という言葉もある。最後まで西田さんは役者だった。
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