紀藤正樹弁護士 ドン・ファン元妻、検察側控訴を解説「控訴審は、職業裁判官だけの審理となります」
弁護士・紀藤正樹氏が25日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん=当時(77)=に覚醒剤を飲ませて殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻須藤早貴被告(28)を無罪とした和歌山地裁の裁判員裁判判決を不服とし、和歌山地検が24日に控訴したことに言及した。 【写真あり】野崎幸助さんと腕を組み笑顔の元妻・須藤早貴被告 12日の判決は、元妻が多額の遺産を相続できるなど殺害の動機になり得る事情はあったが、事件前に「完全犯罪」などとインターネットで検索した履歴を考慮しても、殺害を計画していたと推認するには足りないと指摘した。野崎さんの死亡当日に自宅で2人きりだったことなどを考慮しても、殺害したとするには合理的な疑いが残ると判断。野崎さんが誤って致死量の覚醒剤を摂取した可能性も排除できないとした。 検察側は、元妻が遺産を目的に完全犯罪を計画したとして無期懲役を求刑していた。 元妻は18年5月24日、野崎さんに何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ死亡させたとして、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の罪で起訴された。元妻は別の男性から現金約2980万円をだまし取った詐欺事件で懲役3年6月の実刑判決が確定している。 紀藤氏は「“紀州のドン・ファン”元妻裁判 検察、無罪判決を不服とし控訴」と題された記事を引用し、「やはり控訴。米国なら一審無罪の控訴は原則できませんが日本ではできます。控訴審は、裁判員裁判ではなく、職業裁判官だけの審理でとなります」とつづった。