短編映画『空の港のありがとう』撮影秘話も! Yuki Saito監督が語る、地元「成田」への思いと展望
成田国際空港を舞台にした短編映画『空の港のありがとう』。「成田で生きる人たちと成田を訪れる人たちみんなが笑顔になってほしい」という優しいメッセージが込められた本作は今年6月に「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024」の「BRANDED SHORTS」で観光映像大賞観光庁長官賞を受賞したことで話題になった。 今回は映画の監督・脚本を手掛けた千葉県成田市出身のYuki Saito氏にインタビュー。映画の撮影秘話や地元・成田市に対する思いを聞いた。
映画『空の港のありがとう』の製作までの経緯を教えてください。
Yuki Saito監督:僕は成田市出身で、実は十年前に成田を舞台にした長編映画を企画していたことがありました。撮る気満々でいたのですが、計画が頓挫してしまって。僕としては不完全燃焼でモヤモヤした感じの終わり方になってしまいました。その悔しさが残っていて、いつか時が来たら絶対に“成田市の人たちと地元の映画を作る”というのがずっとあったんです。だから、成田国際空港株式会社(NAA)さんからお話を頂いた時は二つ返事でOKしました。もうこれは、やるしかないと。
念願叶っての映画製作だったのですね。本作の主人公をグランドハンドリングにした理由は何だったのでしょうか。
Yuki Saito監督:映画を作る上で「成田国際空港の人手不足の問題と向き合う作品にしてほしい」というのが今回唯一の先方のオーダーでした。それならば成田に住んで空港で働いている人の姿を撮りたいと思ったのが本作のきっかけです。例えば、よく映画やドラマで描かれるCAとかパイロットは意外と空港付近に住んでなかったりするんですよ。そうではなくて、成田に住まいがあって成田に根付いた人を主人公にしたいなと。それで貨物の方や管制官の方、グランドハンドリングの方たちのお話を聞いて回り、実際のエピソードを聞いていく中で、案内所で働くグランドハンドリングの方の主人公像が浮かんできました。外国のお客さんを筆頭に色々な人たちと関わり合う、人と接しておもてなしするという仕事は、日本の印象に直結するということもありとても大切だと思ったんです。