短編映画『空の港のありがとう』撮影秘話も! Yuki Saito監督が語る、地元「成田」への思いと展望
実際に成田国際空港で撮影してみていかがでしたか。
Yuki Saito監督:今まで何度か成田国際空港でロケはさせて頂いていたのですが、今回初めて立ち入った場所とかもあり興味深かったですね。僕は学生の頃空港でアルバイトもしていましたし、何より成田は地元ですから、空港自体かなり馴染みはあるんです。ただ、保安上や利用客のプライバシーの問題で立ち入れないような場所も多くて。今回貨物倉庫などに初めて入りました。空港の裏側ともいえる場所で働いている方たちの姿を見て、親近感や現場ごとの苦労などを感じることができたのは良い経験でしたね。あと空港ではないのですが、成田山の参道にある「後藤だんご屋」でのロケは印象的でした。元々お店の存在は知っていたのですが、店の暖簾をくぐったことがなくて。実際に初めて行ってみたら、めちゃくちゃ美味しくて驚きました。成田山界隈はうなぎのイメージが強いので、今までの僕の映像作品でもうなぎ屋を扱うことが多かっただけにとても新鮮でしたね。知ったつもりでいても、一歩踏み込んで入ってみると、まだまだ新しい体験ができるんだなと実感しました。
新発見もあり充実した成田ロケだったのですね。成田でこれからやりたいことはありますか。
Yuki Saito監督:最終的には“フェス”をやりたいなと思っています。映画だけじゃなくて芸術や音楽を空港と絡めて「スカイフェスティバル」みたいな催しをしたい。飛行機を降りた瞬間から参加できるフェスが理想です。地元に根付いているアーティストの方もいらっしゃるので、色々な人の手を借りながら、いつか形にできたらいいなと思っています。
最後に成田市民の皆さんや成田市・成田国際空港を訪れる方へのメッセージをお願いします。
Yuki Saito監督:成田空港の人手不足問題は深刻ですが、空港の規模が大きくなっていくということは良いことではないかと思うんです。空港が大きくなれば、人も物も多く出入りするから当然活気が生まれてくる。日本を代表する空港が成田にあるのだということを、地元の人もそうですし成田の外の人たちにも知ってもらい、成田国際空港に興味を持ってもらうのが大事なことだと思っています。映画を見た若い人たちに少しでも成田国際空港や空港の仕事に興味を持ってもらいたい。“空港で働く”という選択肢もあるなと思ってくれる人が一人でも増えてくれたらと願っています。 ありがとうございました!
Yuki Saito監督 <プロフィール> 1979年6月21日生まれ。千葉県成田市出身。映画監督を志し、高校卒業後に渡米。ハリウッドで8年間映画を学ぶ。2016年に商業長編デビューを果たした映画『古都』で文部科学省特別選定作品に選出される。今年公開された成田国際空港を舞台とした短編映画『空の港のありがとう』ではSSFF & ASIA 観光映像大賞観光庁長官賞を受賞。 近年の代表作に映画『君が落とした青空』(2022)、ドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』(2024)、ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(2024)などがある。