《6年24億円を蹴って5年17億円で残留》阪神・大山悠輔の判断を球団OBが「これで正解」と評す理由 引退後の「第二の人生」まで見据えた選択か
「巨人に行く勇気がなかった。それでいい」
とはいえ、阪神の条件は巨人に届かなかったわけだ。それでも大山は6年24億円の巨人を蹴って、5年17億円プラス出来高の阪神残留を選んだ。阪神OBが言う。 「大山は真剣に悩み、阪神を選んだ。好条件の巨人だが、大山の守備位置であるファーストとサードにはゴールデングラブ賞の岡本と坂本(勇人)がいる。本塁打のタイトルを獲ったことがない大山は、阪神でなら4番に座り続けられるかもしれないが、巨人でクリーンアップを6年間も張れるのか。冷静に考えて出した結論でしょう」 このOBは目先の好条件に惑わされなかった大山の決断を「正解だと思う」と評した。 「言葉は悪いが、“巨人に行く勇気がなかった”という話だろう。ただ、長い目で見れば阪神の生え抜きで野球人生を終えたほうがいい。監督も含めた阪神球団での指導者としての道も開ける。阪神でレギュラーを張ってきたOBは在阪のテレビ局やスポーツ紙の専属評論家として声が掛かるし、コマーシャルやバラエティ番組、トークショーにも引っ張りだこ。阪神の生え抜き組は引退後の第二の人生でも勝ち組となる」 ここ10年間に巨人へ大型契約によりFA移籍した選手は、片岡治大、大竹寛、金城龍彦、相川亮二、脇谷亮太、陽岱鋼、山口俊、森福允彦、野上亮磨、炭谷銀二朗、丸佳浩、梶谷隆幸、井納翔一の13人(野手8人、投手5人)。寂しくユニフォームを脱いだ選手も少なくない。時を経て、大山の決断は「正解だった」という話になるだろうか。