【陸上】クローズアップ/400m・中島佑気ジョセフ「覚悟を決めて、死に物狂いで」ブダペストの悔しさをパリ五輪にぶつける
「もう一つ上の次元で努力を」
24年はアスリートとして新たなステージに立つ。東洋大を卒業して富士通に入社。社会人となり、初めての五輪への挑戦を迎える。冬季には昨年度の冬季に続いて米国・南カリフォルニア大へ。1992年バルセロナ五輪男子400m金メダルのクインシー・ワッツ・コーチに師事し、マイケル・ノーマンやライ・ベンジャミン、さらにはフレッド・カーリーら、米国のメダリストたちと練習をともにした。「世界での悔しさは、世界でしか晴らせない」と、その決意を走りで示す覚悟だ。 「社会人になって、これからは陸上で結果を出すのが仕事。そこを基軸にして、ストイックにやっていきたい。23年培った安定性、試合に挑む時のマインドセット。自分の今の状態で、どこまでパフォーマンスを高めるかというところに関しては、かなり上達したと思っています。それらをキープしつつ、来年に向けてスピード、脚が流れてしまっているフォームの改善をできたらと思っていますね。あとはやっぱり、勝負どころでの爆発力が欲しいです。 そのためには、自分が最高の状態に持っていきたい大会から逆算して、毎回のレースで課題を設定していくことが大切。一方で大胆さも必要なので、失敗を恐れずにトライしていきたいと思っています。そうやっているうちに、自分が一番しっくりくる走りが見つけられると思うので。 ファイナルを戦えなかった悔しさをずっと胸に持ちつつ、目指すはパリ五輪のメダル。そして、その先の金メダルです。23年もそうでしたが、24年も覚悟を決めて、死に物狂いでがんばりたい。レース戦略など、もう一つ上の次元で物事を見つめて努力しないと、世界のメダルには届きません。やるからには絶対にトップに立ちたい。自分の理想のレースを現実のものにして、24年のシーズンを笑って終われるようにしたいですね」 ブダペストでの悔しさを、パリで。決意を胸に、中島は新たな一歩を踏み出す。
小川雅生/月陸編集部