BMWが賢い……エンジンとBEV対応プラットフォームって? 電気自動車「i5」がMモデルらしさを感じないワケ
BMW 5シリーズの中のBEVモデルとなるi5 M60 xDrive。ドイツが誇るスポーツサルーンの雄である5シリーズの血統を受け継ぐBEV。今回は実車を徹底チェックして、水野和敏氏が自動車開発者ならではの鋭い視点で評価していく。 【画像ギャラリー】GTマシンのノウハウを活かしたBEV!!ハイバランスな操縦性を持つBMW i5 M60 xDrive(16枚) ※本稿は2024年3月のものです 文/水野和敏、撮影/奥隅圭之、写真/BMW 初出:『ベストカー』2024年4月26日号
■BMW i5 M60 xDriveのここがイイ&ここがダメ
●BMW i5 M60 xDriveへの水野さんの評価……93点 あえてBEV専用ラインナップとはせず、523iなどのガソリンエンジン車と同じプラットフォームでBEVを設定しているのが、ベンツと真逆なBMWブランドを象徴させた戦略。今後のエンジンとBEVどちらへの対応も可能な賢い戦略だ。 エンジンルームは広く前輪モーターや制御ユニットを置いてもスペースに余裕がある。前後重量配分はF=1190kg、R=1200kgでほぼ50対50。車体全体の重量は実感するものの、走るとバランスのよさを実感する。 2360kgという車重に対しややタイヤのショルダー部が柔らかく応答性遅れになっているのが気になる点だ。 ●水野和敏 取材メモ ・フロントマスクもリアスタイルも、エッジを利かせたラインを強調するデザインは賛否が分かれるだろうが、GTマシンのノウハウを活かした空力効果は高い。 ・2トンを超える車重を感じる。Mモデルらしいシャープで精密な操縦性ではなく、BMWの通常モデルのハイバランスな操縦性を作り上げている。 ・運転席シートのクッションが素晴らしい。適度な反力と沈み込んで身体をホールドする着座感は秀逸だ。 ●BMW i5 M60 xDrive ・全長:5060mm ・全幅:1900mm ・全高:1505mm ・ホイールベース:2995mm ・最低地上高:136mm ・最小回転半径:5.8m ・車両重量:2360kg ・フロントモーター:261ps/37.2kgm ・リアモーター:340ps/43.8kgm ・システム出力/トルク:601ps/81.1kgm ・バッテリー総電力量:83.9kWh ・一充電走行距離:455km ・WLTCモード電費:205Wh/km ・Fサスペンション:ダブルウイッシュボーン ・Rサスペンション:マルチリンク ・タイヤサイズ:F=245/40R20R=275/35R20 ・車両価格:1548万円