三菱電機の冷蔵庫は「マイナス25度冷凍」がウリ! 野菜の“積極冷凍”で食品ロス削減を提案(多賀一晃/生活家電.com)
【家電のことはオイラに聞いて!】#74 夏でも冬でもエアコンの電気代節約が話題になります。ですが、日常生活を見回すと、それ以上のロスが身近にあります。無意識のうちに家計を年額約7万円(環境省資料から推定)も圧迫している「食品ロス」です。 三菱電機のエアコン霧ヶ峰「FZシリーズ」は“省エネ”のみを追い求めた化け物だ 「買い過ぎ」とか批判する人もいますが、誤解です。料理をする人は、家族の健康を考え、飽きない献立を考えます。しかし急に外食になったらどうなるか。使うはずの食材は余ります。 加えて賞味期限表示。日本は生魚を食べる文化なので、食材の鮮度に関して国民の目は他の国より厳しく、賞味期限を過ぎると食べられないと判断する人もいます。 冷蔵庫自体の問題もあります。日本の家は海外に比べると狭く、冷蔵庫を置くスペースがギリギリという家庭も多い。冷蔵庫選びを「幅」から始めるのもそのためです。一方で消費者の大容量ニーズは高い。メーカーの対応策は「容量を奥行きで稼ぐ」です。特にコロナ禍以後、大容量は再注目されています。 ■冷蔵庫本来の目的は食品の一時的ストックなのに… しかし、この対応策は冷蔵庫の本来あるべき姿と矛盾しています。冷蔵庫本来の目的は、食品の一時的なストック。このために便利なのが棚方式です。求められる棚の特徴は、見やすく、さっと取り出せることです。これに奥行きを持たせるとどうなるか。奥行きのギリギリまで詰め込んでしまうのです。 使い勝手のよい棚の条件は浅めで奥に詰め込めない棚なのですが、今の冷蔵庫の棚は2段、場合によっては3段にも詰め込み、使います。冷蔵庫の棚は、どこからでも見えやすくするため強化ガラスが使われていますが、それでも食材は見えにくくなります。それで食材ロスが出やすいのです。 棚にこだわった冷蔵庫にはAQUA(アクア)のTZシリーズがあります。広幅のためあらゆる家庭で使えるわけではありません。それでも使い勝手がいいので、指名買いが多いモデルです。 棚方式でない、新しい提案をしてきたのが三菱電機。食品ロスでもっとも多い食材は野菜です。1個買いするため、どうしても半端が出やすいのです。半端を使いあぐねているうちに食べられなくなってしまいます。 三菱電機は野菜の積極冷凍、活用を提案します。冷凍保存はどの冷蔵庫でもできますが、三菱は保存する野菜に一時的にマイナス25度の冷気を当てより硬くする「できちゃうV冷凍」。通常冷凍はマイナス18度。マイナス25度にした野菜は手で粉砕でき、みじん切り同様にできます。半端量の野菜を隠し味的に使えば料理の味に深みを与えられます。しかも包丁いらず。 さらに冷蔵庫内の整理整頓を心がけると、7万円とはいかずとも、数万円分はロスを削減できるはず。冷蔵庫内を整理すると冷却効率が上がり、電気代節約にもつながります。 (多賀一晃/生活家電.com主宰)