「救急車、今後もまだ必要」ウクライナ支援する上村さんら 三重・松阪市長に報告
ウクライナからの避難民を支える活動を行うNPO法人SunPanSa(サンパンサ)の上村眞由理事長(82)=三重県松阪市鎌田町=と、伊佐治秀司副理事長(71)=津市=は3日午後1時に松阪市役所を表敬訪問。今年3月に、松阪地区広域消防組合(管理者=竹上真人松阪市長)から寄贈を受け、ウクライナへ贈った救急車の現状などを竹上市長に報告した。 同団体は、在日ウクライナ人でつくるNPO法人日本ウクライナ友好協会KRAIANY(クラヤヌィ、コヴァリョヴァ・ナタリヤ理事長)の提案で、全国の消防署に協力を呼び掛け、中古救急車を同国に贈る慈善事業を行っている。これまで松阪や紀勢地区広域消防組合をはじめ栃木や鹿児島、福岡から計6台を譲り受け、ウクライナに贈っている。 この他に昨年4月、ロシアの軍事侵攻で腕を失うなどしたウクライナ人男性6人と家族を受け入れ、クラウドファンディングで資金を集め「筋電義手」などの義手を着ける治療やリハビリを支援。うち3人は治療方針が合わず帰国したが、残る3人は治療を受け、リハビリを経て祖国に戻っている。 この日、市役所を訪ねた上村理事長は、松阪から贈られた救急車がウクライナ北東部でロシア国境地帯にあるハルキウ州のチェグエフ中央病院に配備され活躍していることや、今年8月に同国東部のザポリージャ州のシェルターを訪問した時のことを振り返りながら、「今この戦いが終わっても医療や福祉体制が復旧するには5年以上かかる。被害を受けていない医療機関や福祉施設まで搬送するため、今後も救急車と福祉車を募り届けたい」と伝えた。 竹上市長は「私たちが寄贈した救急車が役に立っていることを確認することができました。ありがとうございました」と述べた。 上村さんは本紙取材に「訪問したザポリージャ州では180台以上の救急車が壊され、他の州まで搬送するためにも救急車や福祉車は今後も必要」と話し、「中古車でも構わないのでどうか協力をお願いします」と呼び掛けた。