馬肉にまつわる“ウマい”話を知ってるか?高タンパク&低カロリー、疲労回復にも効果アリ!?
過酷な残暑が続く今日この頃、バテを感じているオーシャンズ世代はさぞかし多いことだろう。ならば、伝統のスタミナ食の馬肉はいかが? ▶︎すべての写真を見る 牛や豚に比べて馴染みの薄い肉だが、実は多くのアスリートやトレーニーが愛好するスーパーフード。高タンパクにして低脂肪&低カロリー、さらにミネラルたっぷり。 今回はタニタ栄養研究所とともに、馬肉の神秘を紐解く。
教えてくれたのはタニタ栄養研究所
タニタグループが誇る食と栄養の専門機関は、長年の研究開発や食・運動のサービス提供で培ったノウハウを生かし、健康やカラダに関するさまざまな情報を発信中。 プロサッカーチームなどアスリートの栄養サポートにも取り組む信頼できるチーム。
馬肉にまつわる6つのウマい話
1 吸収スピードが速いペプチドを含む 現代の日本人の多くが不足しているといわれるタンパク質。 「馬肉はタンパク質が豊富なだけでなく、ペプチドが多く含まれている点も特長です。 アミノ酸が50個以下で結合したペプチドは、通常のタンパク質よりも吸収が早く、さらに肝臓のはたらきを助ける効果や疲労回復効果も期待できます」。 2 低脂肪&低カロリーなヘルシー肉 「馬肉は他の肉類と比べて、脂質が少なく、かつ低カロリーなので、ダイエット中にもぴったりな食材です。 ただし、部位によって脂質の含有量が異なるため、より低脂肪&低カロリーの部位を選びたいなら、霜降りやタテガミなどの白っぽい部位よりも、ヒレやモモなどの赤身を選ぶといいでしょう」。 3 疲労を回復させるグリコーゲンが豊富 「体内に貯蔵されるエネルギーであるグリコーゲンもたっぷり含まれています。持久力や運動パフォーマンスの向上、加えて運動後に摂取することで筋肉の回復の促進が期待できます」。 さらにグリコーゲンには旨味成分を引き立てる効果もあるという。馬肉の独特の旨味は、ここに秘密があるのだ。 4 カラダにいいといわれる不飽和脂肪酸 「脂質を構成する脂肪酸には、大別して飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。 飽和脂肪酸は取りすぎると血液中の中性脂肪やコレステロールを増やしますが、一方の不飽和脂肪酸は健康にメリットがあるといわれ、血液中のコレステロールを下げたり、血液循環を良くしたりする作用があります」。 5 夏場に摂りたい鉄分もたっぷり 「鉄分、カルシウム、亜鉛などのミネラルも豊富。特に血液のヘモグロビンを形成し、酸素を細胞に届けて疲労回復を促す鉄分は他の肉の2~3倍以上。 鉄分が不足すると、血行不良による顔色のくすみや肌にも影響があります。夏場は汗で流れ出てしまうため、しっかり摂取したい栄養素です」。 7 薬味と食べると馬力がアップ 馬肉といえば、にんにくを添えた馬刺しがポピュラーな食べ方。「馬肉に含まれるカリウムは体内のナトリウムの排出を促すことでむくみを解消します。 一方、余分な熱を排出してカラダが冷えてしまう可能性もあるため、にんにくや生姜、たまねぎなど、血行を良くする薬味と一緒に食べるのがおすすめです」。 [番外編]戦国武将は馬肉に助けられた!? 馬肉食の発祥は諸説ある。農林水産省のホームページによると、熊本藩主の加藤清正が朝鮮出兵の際、食料がなくなり、しかたなく軍馬を食べたところ、大変美味だったのが始まりとされている。 江戸時代は一部の農民が食べていたという話だが、明治時代になるとしだいに広まっていったとのこと。 また、関ヶ原の戦いでは、島津の退き口で疲労と空腹の限界に達した島津義弘一行が馬の肉を分かち合い、体力を回復したという逸話も。馬肉は戦国武将も頼った伝統のスタミナ食といっても過言ではない。 ただし、プリン体も多い食材のため、尿酸値の高い人は食べすぎに注意したほうがよさそうだ。 押条良太=文
OCEANS編集部