東京五輪男女マラソン代表を決める9月のMGCはどんなレースになって誰が勝つ?
女子は男子の半分以下となる12名しか出場しない。NHKのMGC解説を担当する野口みずきさんは、「2時間22分台を2回出している松田さんに注目しています。安定感があるので、どんな展開でも力を発揮できる。ベテランの福士さんも、これまでの経験を生かした走りがどうできるのか。期待しています」と話す。 松田瑞生(ダイハツ)は昨年1月の大阪国際女子を2時間22分44秒で制し、同年9月のベルリンで2時間22分23秒(日本歴代9位)をマーク。今回の“大本命”だ。 福士加代子(ワコール)は13年モスクワ世界選手権の女子マラソンで銅メダルを獲得するなどキャリアは十分。37歳でのMGC出場は男女通じて最年長となる。 一方、瀬古リーダーは、「鈴木亜由子さん、持ちタイムはないけど、力は一番と言っていいくらいある」と昨夏の北海道でマラソンデビューを飾った鈴木亜由子(日本郵政グループ)を推していた。 他にも22歳にして5度のマラソンを経験し、2時間23分48秒のベストを持つ前田穂南(天満屋)、昨年の名古屋ウィメンズで日本人トップに輝いた23歳の関根花観(日本郵政グループ)、スピードが魅力の23歳・上原美幸(第一生命グループ)と伸び盛りの若手にも注目したい。 瀬古リーダーは、「女子は30kmぐらいまでほとんど残っているんじゃないでしょうか。ゴチャゴチャになるような気がします」とレース展開を予想する。その通りになると、日本選手権1万mを連覇(17・18年)している松田、トラックで世界大会を好走してきた鈴木のスピードが威力を発揮するだろう。 そして注意したいのが、福士、安藤友香、一山麻緒と“最大勢力”となる3名をMGCに送り出したワコール勢だ。チームで抜け出し、交代で引っ張る作戦が可能になる。どんな戦略で挑むのか。 「一瞬たりとも目が離せませんよ。皆さんが感動するようなレースをしてくれるんじゃないでしょうか。日本の凄いイベントにしたい」と瀬古リーダー。東京五輪の11か月前に行われるMGCもドラマチックな戦いになりそうだ。 (文責・酒井政人/スポーツライター)