ヤンキースの敗戦、ニューヨーク地元メディアの怒り
2024年のワールドシリーズは、第5戦で5点のビハインドをひっくり返したドジャースが4勝1敗で制覇し、大谷翔平がワールドチャンピオンの一員となる念願を叶えて幕を閉じたわけだが、ヤンキースの負け方が負け方だっただけに、ニューヨークの地元メディアに言いたいことが、山ほどあったであろうことは想像に難くない。
試合の分水嶺となったのは、それまで5-0でリードしていたヤンキースの5回の拙守だった。アーロン・ジャッジが凡フライを落球すると、名手アンソニー・ボルビーが悪送球で状況を悪化させ、その後、二死満塁としたところで、平凡な一塁ゴロに対してゲリット・コールがベースカバーに入らず、ドジャースに1点を献上。
そこからフレディ・フリーマンと、テオスカー・ヘルナンデスに連続で2点適時打が生まれ、ドジャースは無得点で終わっていたはずのイニングで同点に追いついたのである。
これについて、地元紙『ニューヨーク・ポスト』は試合後、電子版に「ワールドシリーズの惨敗は、アーロン・ジャッジ時代のヤンキースの欠陥をすべて示している」と題した記事を掲載。
その冒頭でスプリングトレーニングの序盤、一塁ゴロで投手がベースカバーに入る練習を繰り返し行うのが風物詩となっていることに触れ、「これはルーティンである」とし、続けて「これは最も基本的なプレーが正しくエクセキュート(遂行)されていることを確認するために行われている」とした。
その上で、「それゆえ、そのプレーが恐らくここまで到達した球団の中では最も技術的に不安定なチームだった、2024年のヤンキースをエクセキュート(処刑)したのは、全くの符合と言えよう」と伝えた。
続けて記事では、エラーが続いた5回について、「ヤンキースはドタバタ喜劇となった5回に、彼らのグレイティストヒット(ベストヒット集)、あるいはよく知られている言い方をするとエラーとなるが、それらを披露しつつ、それでもアンソニー・リゾとゲリット・コールが、ベースボール初級編のプレーを完結させていれば、(無傷で)生還できていたところだった」。