目当ては「岡本」「大勢」それとも…巨人戦にメジャースカウトが集結 最大の狙いは「NPBで覚醒した選手」
狙いは日本人選手?
予告なしで現れたメジャースカウトたちは誰を見に来ていたのかだが、実は、「日本人選手ではない可能性も」という指摘もある。 今年の巨人は投打ともに外国人選手の当たり年となった。低迷する打線を救ったのは途中加入のエリエ・ヘルナンデス(29)であり、そのヘルナンデスの故障離脱後も優勝戦線に生き残ることができたのは、ココ・モンテス(27)のおかげ。また、投手では来日2年目のアルベルト・バルドナード(31)も活躍し、守護神・大勢が離脱した前半戦では代理クローザーも務めたほど。フォスター・グリフィン(29)、カイル・ケラー(31)らも投手陣の重要なピースとなっている。 「近年、NPBでの活躍が認められ、大型契約でメジャーに帰還するケースも増えてきました。彼らがNPBで活躍できた理由の一つとして、コーチの存在があります。メジャーのコーチは“調整”が主体ですが、NPBのコーチは“教える”のが上手。それも、教えすぎるのではなく、ちょっとしたアドバイスや微調整の進言をして、外国人選手の潜在能力を伸ばしています」(米国人ライター) また、巨人が変えたのはポスティングシステムに対する方針だけではなかった。原辰徳前監督(66)が編成にも関わっていた去年まで、「外国人選手の選別」で重きを置いていたのは「性格」と「パワー」だった。これは原監督の要望によるものだったが、今季からは「打者は低めの変化球に対応できるかどうか」を慎重に見定めるようになった。ヘルナンデスとモンテスがメジャーリーグ昇格のチャンスを掴めずにいたのは「非力」に見えたからだが、バットコントロールと選球眼が優れていれば、トップステージでも通用することを巨人で証明したのである。 「ヘルナンデスは、3Aパシフィックコーストリーグ所属のラウンドロックでプレーしていました。昨季は137試合に出場し、打率2割9分8厘、本塁打18、打点99と活躍し、6月には26試合連続安打を記録し、シーズン終了時には『チームMVP』にも選ばれました。彼の活躍で出場機会を失い、自らオプトアウトを行使して新天地を探したのが筒香嘉智ですよ。モンテスは来日するまでロッキーズ3Aのアルバカーキで活躍し、パシフィックコーストリーグの首位打者でした。ロッキーズは早々に優勝戦線から脱落しましたが、昇格のチャンスをもらえなかったのは、正二塁手のブレンダン・ロジャーズ(28)、三塁手のライアン・マクマーン(29)、ショートのエゼケル・トーバー(22)といった看板選手とポジションが被っていたからです」(前出・同) 巨人移籍後のモンテスは「試合に出るため」とし、自ら外野の守備練習にも参加してレギュラーの座を掴んだ。元々は、内野ならどこでも守れる選手だったが、米球界では複数ポジションが守れる選手が重宝されており、MLBスカウトがその評価を上方修正したのかもしれない。