森保ジャパン、「WBの方が点取りやすい」堂安がシリア戦で堅守の中東苦手意識を払拭へ「解決策」探る
サッカー日本代表は9日、広島市内でシリア戦に向けて大部分を非公開で調整した。26年W杯アジア2次予選ラストマッチは、1~2月のアジア杯で黒星を喫した1次リーグのイラク、準々決勝のイランと同じ中東勢が相手。すでに進出を決めている最終予選を前に、中東勢への苦手意識を払拭(ふっしょく)すべく、攻撃ではMF堂安律(25)=フライブルク=が“点の取れるウィングバック(WB)”に名乗りを上げ、守備では高さのある3バックでロングボール対策も徹底する。 【写真】堂安、新妻とのラブラブ2ショットを公開 約4か月前の屈辱を、忘れている選手はいない。堂安は「今年の最初、アジア杯で悔しい経験もした。そういう意味で、シリアはすごくいい相手。僕らが一つ、解決策を出さなければいけない」。強固な守備、速く鋭い攻撃、そして高さ。中東勢が共通して持つ特徴を踏まえ、優勝を逃したアジア杯で主に採用した4バックの布陣ではなく、ミャンマー戦(6日)で試した3バックの新オプションで、どう上回るかを思い描いた。 ゴール前を固める守備が予想されるシリアに対し、攻撃でこじ開けるイメージは明確だ。ミャンマー戦では2シャドーで先発出場した堂安は、所属先のフライブルクではWBでもプレー。サイドに位置するWBはゴールから遠く、得点に絡むことは難しいはずだが「WBの方が、点は取りやすい」と言い切る。 今季ドイツ1部リーグで奪った7ゴール中、5点はクロスに合わせ、うち3点はヘディング。同じくWBで今季10得点を挙げた王者レバークーゼンのMFグリマルドの動きも参考に、相手DFからは見えにくい大外からゴール前に飛び込み、堅い守備を崩す形となる。 また、守備ではアジア杯でも苦労した中東勢特有のロングボールに、3枚の大型センターバック(CB)・町田(190センチ)、板倉(188センチ)、冨安(187センチ)を配置してはね返す。4バック時の2CBより中央の枚数が多くなることで、リスクを減らすことは可能。新オプションで“アレルギー”を払拭できれば、消化試合とも言えるシリア戦にも大きな意味が生まれるはずだ。(金川 誉) ◆アジア杯での対中東勢の黒星 大会は1~2月にカタールで開催。日本は1次L第2戦のイラク戦で開始5分、前半終了間際に、ともに自陣右クロスから長身189センチFWアイメンに頭で決められ2失点。1―2で敗れ、国際Aマッチの連勝は10で止まった。準々決勝のイラン戦は1―0の後半10分に縦パスで崩されて失点。後半アディショナルタイムにロングボールの折り返しから冨安と交錯した板倉が相手を倒してPKを与え、1―2で逆転負けした。
報知新聞社