就任会見で記者の質問に答える阪神・金村暁投手コーチ＝西宮市内（撮影・甘利慈）

阪神は21日、藤川球児新監督が率いる来季のコーチ陣を発表した。3年ぶりに1軍投手コーチに復帰する金村暁氏（48）が会見で決意を語った。 頼もしい男が虎に帰ってきた。3年ぶりの阪神復帰。金村投手コーチは笑顔の中に、少し緊張した表情を見せながら所信を表明した。 「僕の理想としては、強い投手陣を作るために先発は8枚、中継ぎは10枚。しっかりと戦える戦力を作りあげることが最優先の課題と思っている」 金本監督時代の2016年から22年までの7年間、投手コーチを務め、12球団でもトップクラスの投手スタッフを作ることに貢献した一人だ。 「（チームを）離れていた2年間も選手がすごく気になって見ていた。もう少し全体的な底上げが必要。実績組も青柳や伊藤将司の復活、村上もそう。中継ぎでは岩貞とか湯浅とかにはもう一回頑張ってほしい」 金村コーチは就任会見で5人の名前を挙げた。今季は先発では才木が13勝を挙げてエースになり、救援陣では桐敷が最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。一方で、2年連続で開幕投手を務めた青柳はわずか2勝、伊藤将も4勝と結果を残せず、昨季MVPの村上も7勝に終わった。岩貞の1軍登板は2試合だけ。湯浅は難病の胸椎黄色靱帯（じんたい）骨化症からの復活を目指してリハビリ中だ。 「僕がコーチをやらせていただいた1年目に藤川監督も阪神に復帰された。いろいろ教わりながら、強いブルペン陣を作り上げた。最強の投手陣を作って恩返しできたら」 藤川監督が20年に現役引退するまではコーチと選手の関係だったが、若手育成のために意見をよく聞いた。そんな指揮官の強い打診を受け、3年ぶりに縦じまのユニホームに袖を通す。 「投手起用に関しては安藤コーチと僕に任せてもらえるぐらい、コミュニケーションを取りながらやっていけたら」 金村コーチは目を輝かせながら、力強く言い切った。（三木建次） ■金村　暁（かねむら・さとる） 1976（昭和51）年4月19日生まれ、48歳。宮城県出身。仙台育英高から95年D1位で日本ハム入団。98年に最優勝防御率。07年オフにトレードで阪神へ移籍。11年はBCL信濃でプレーし、同年限りで引退。16年から22年まで阪神の1軍投手コーチ。24年はHFL石狩で投手コーチを務めた。通算271試合登板、89勝81敗2S、防御率3・89。現役時は187センチ、82キロ。右投げ右打ち。