カップル御用達「ラブパーキング」、営業拡大で3年目へ 「警察来たけど何も言われず」70代男女管理人の余裕、弟子入り志願も
サークルのことは夫に伝えているが、この「ラブP」のことは秘密にしている。 「言ってません。変なこと考えちゃうでしょ」 「男女の関係ではない」と2人が首を振る。 全国各地で、空き家や空き地が増えて社会問題となっている。もうかっていなくても、趣味で月に3万円を生み、誰かが喜ぶ「ラブP」はすごいのではないか。 素直な感想を記者が伝えたところ、男性は「生活地盤が別にあれば、何だってできますよ。ほとんどの人が生活のために時間を取られているでしょ。私らはもう関係ないから。子育ても終わって、あと何年生きられるかもわからない。最近の若い人は生活に追われて大変だよね。結婚しない人も多いし、親と住んでいれば飯も食えるしね」と返した。 女性は「なんかしているとハリが出て楽しいよ。あなたも年相応に老けちゃダメよ。趣味を持って、年齢よりも若くいなきゃ」。
ラブPにはインスタグラムのアカウントもあったが、すぐに更新をやめた。 「もうやめた。やったほうが来てくれるのかもしれないけど、どうなんだろう」 やりたいことをやっているのだ。
●「10年続けば市民権」ラブPの未来は
「お金がかかるから難しいんだけど、山の上から水を引いてきたいんだ。シャワーがあれば夏場は特に喜ばれるでしょう。誰かカンパしてくれないかな(笑)」 トイレとシャワーがあれば、管理人室を駐車場付きの部屋として2~3万円で貸せる。ワンルーム駐車場付きのアパートなんて5~6万円するじゃないですか」 実現できるかはともかく、楽しそうに男性は話す。 「家族は何も言わない。せいぜいラブPは半年しか続かないだろうと思っている。最初はブームだったけど、徐々に浸透してきた。これが10年くらい続けば面白いよね。10年続けば市民権を得られるよ」(男性) カップルの車が入るラブPの駐車場には屋根がない。きっと夜空もキレイに見えるだろう。 取材が終わると、男性はホウキで落ち葉の掃除を始めた。 2人が80代に差し掛かる頃には、ラブPはどんな形になっているのだろうか。
弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎