元バス運行管理者「週2回の泊まり勤務に長時間残業、苦情電話…先輩が次々と休職する中でも仕事を続けられたワケ」
◆そのまま続けていたら ただ、休み明けに仕事に行くのは憂鬱である。 会社で働く人は誰もが仕事より休みのほうがいいと思うだろうが、少なくとも私が経験した鉄道会社の駅員・車掌時代と比べると、運行管理者時代のほうが何倍も仕事に行きたくなかった。 理由はもちろん、冒頭に書いたすべてである。どんな苦情を言われるかわからない。運転士にも暴言を吐かれるかもしれない。無事に仕事を終えて明日帰れる姿が想像できない……。 毎回こんな心境で職場に向かい、翌日退勤するときは「苦情や運行トラブルもたくさんあったけど、何とかギリギリのところで対応して無事に帰ることができた……。でも明日はどうなることか……」という気持ちで帰っていた。 経験を重ねればある程度はトラブル対応も上達していくだろう。しかし、次々とメンバーが休職していく姿を見ると、この環境は経験だけではカバーしきれなかったことのあらわれだろう。 私はたまたま在職中に鉄道会社の採用試験を受け、合格したため退職することとなったが、そのまま続けていたらいつか私も心身の不調で休職していたことは想像に難くない。 ※本稿は、『逆境路線バス職員日誌 車庫の端から日本をのぞくと』(二見書房)の一部を再編集したものです。
綿貫渉
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