パリパラリンピックで悲願の『金メダル』車いすテニス・上地結衣選手「もっと良くなる。進化したい」
■幼少期から「やってみないと分からないという気持ちがあった」
そんな上地選手を一目見ようと、10月20日に行われた凱旋試合には、多くの人が訪れた。 吉原功兼キャスター:(車いすテニスを)始めたいっていう子もきっと増えるでしょうし。 上地結衣選手:『やってみないと分からないじゃない』というのが、小さい頃から何でもやっぱりやってみたい、『できるかどうかは自分ができなくて初めて分かることだから、やらせて欲しい』っていう気持ちはすごくありました。それがスポーツでなくても、自分の好きなものを見つけて欲しいなって思いますね。 吉原功兼キャスター:メダルを獲ることに全ての意味があるわけではなくて、メダルをみんなに見せて、『恩返しなんだ』みたいなお話もされてたと思うんですけど、そういう時間っていうのは充分取れている? 上地結衣選手:まだまだ充分と言えるほど、実は取れていなくて。関西に帰ってきたのも本当に数日前で、それでも少ない日数の中でも、(金メダルを)見せたい人に見せることができて、 『良かったね』って本当に自分のことのように喜んでくださる、その顔が見られるのが、本当に幸せだなと思います。
■応援してくれる人の存在「この人たちに金メダルを見せたい」
上地選手を12歳の頃から応援し続けている地元の会社を、取材班が訪ねた。 シィメス 浅井哲也社長:こちらが結衣ちゃんからもらったものを飾っている部屋です。パリパラリンピックでシングルス・ダブルスと2冠に輝いたわけですけど、その記念として結衣ちゃんから直接もらったものです。 そこには、上地選手の感謝の思いがつづられていた。 シィメス 浅井哲也社長:『本当に長い間、応援してくれてありがとうございました』という、すごく胸が熱くなる思いがしました。 やっと(金メダルを)手にできた、『一緒に手にできた』という思いになりました。 上地結衣選手:全てはやっぱり、一人でも応援してくださる方がいるのに、自分が『負けたらどうしよう』とか、弱気になっていてはだめだなと思いましたし、 一生懸命、『次は勝てるよ』っていう、皆さんが信じてくださるっていう事実は変わりないので、それに向けて自分もまたがんばらないと、って。 吉原功兼キャスター:皆さんの声、言葉、励ましっていうのが原動力というか。 上地結衣選手:ずっとそうですね。この人たちに金メダルをお見せしたいと思ったので、そこがまた一つ原動力だったかなと思います。 獲得した金メダルを見せてもらった。 吉原功兼キャスター:これはすごいですね。眩しい。縁起物ですよね。すみません、失礼します。重い。いろんな思いも乗って重いし、リアルに重い、それが金メダル。 応援を力に…。素直で前向きな生き方が、金メダルに結びついたのだ。 上地結衣選手:障害を持って生まれて、人に手伝ってもらう、助けてもらう機会は健常者の人よりも比較的多いんじゃないかなと思っていて。 でも手伝ってもらう、助けをお願いするということが悪いのではなくて、ついつい日本人は『すみません』と言いがちなんですけど、『ありがとうございます』と言うようにしています。 吉原功兼キャスター:そういうメンタルというか、言葉かけの一つでもやっぱり前向きなパワーになるんですね。 上地結衣選手:自分自身も『がんばってね』って言っていただけたら、それだけでもうプレッシャーとかも全然感じなくて。 『がんばってね』って言っていただけたら、言っていただけた分だけパワーにできるので。もちろん伝えることの難しさというのも感じますけども、それよりも、皆さんとそういうプラスの気持ちを共有できたらなと思います。 (関西テレビ「newsランナー」2024年11月6日放送)
関西テレビ