コインベース、自社L2のベース向けラップドビットコイン「cbBTC」をアピール
コインベースは、BitGoのラップドビットコイン「wBTC(WBTC)」の代わりとなるような、独自のレイヤー2ブロックチェーン「ベース」上で使える暗号資産を開発中のようだ。時価総額で最大の暗号資産ビットコインに、ベース上でアクセスする方法をユーザーに提供するためだ。 憶測を呼んだのは、米国時間8月13日夜のコインベースによる不可解な投稿だった。投稿には、「cbBTC」と「Coming soon」という文言が含まれていた。 Coming soon. — Coinbase 🛡️ (@coinbase) August 14, 2024 続いて、ベースを運営するジェシー・ポラック氏の投稿が掲載され、同チームがネットワーク上に「大規模なビットコイン経済」を構築する計画であることが語られた。 to say it out loud: I love bitcoin, am so grateful for it's role kickstarting crypto, and we're going to build a massive bitcoin economy on @base. ― Jesse Pollak (jesse.xyz) 🛡️ (@jessepollak) 2024年8月14日 声を大にして言いたい。 私はビットコインが大好きで、暗号資産を起動させる役割を果たしてくれたことにとても感謝している。我々は、ベース上で大規模なビットコインエコノミーを構築していく。 暗号資産トークンをラッピングすることは、そのトークンが元々対象としていたプロトコル以外のプロトコルで利用できるようにする方法であり、狙ったエコシステムに流動性の向上をもたらす。 ラッピングされた各ビットコインはオリジナルのビットコイン1枚を表し、カストディされる。トレーダーがラップドトークンをビットコインと交換したい場合、ラップドトークンは「バーン(焼却)」、つまりチェーンから削除され、オリジナルのビットコインが放出される。 コインベースの発表は、wBTCに暗雲が立ち込める中で行われた。BitGoは今月初め、トロン(Tron)エコシステムとトロン創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏が一部所有する香港登録のカストディプラットフォームであるBiT Globalとジョイントベンチャーを設立すると発表した。 このベンチャーは、BitGoと同じマルチシグテクノロジーとディープコールドストレージを引き続き使用するということであった。 製品に技術的な変更はなく、原資産に関するすべてのデータは引き続きオンチェーンで検証可能であるため、この発表に対する反応は概して中立的だった。 しかし、ステーブルコインのダイ(DAI)を発行するMakerDAOのフォーラムでは、否定的な反応も見られた。MakerDAOのトークン保有者向けの提案では、wBTCの借り入れを停止し、リスクを軽減するためにwBTCの負債限度額を0DAIに削減することを提案しており、この提案は今後1カ月間公開される。 それでも、デューン(Dune)のオンチェーンデータは、wBTCの供給に変化がないことを示しており、トレーダーが一斉にこのプロトコルから撤退しようとしていないことを示唆している。 サン氏はXへの投稿で、ジョイントベンチャー以外では「WBTCに変更はない」と述べ、自身はプロトコルの秘密鍵を管理しておらず、ビットコインの準備資産を動かすことはできないと述べた。 「私個人のWBTCへの関与は、完全に戦略的なものである」と、サン氏は主張している。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:PiggyBank/Unsplash|原文:Coinbase Promotes cbBTC, Wrapped Bitcoin Alternative for Base Blockchain
CoinDesk Japan 編集部