【広島の無失点勝利を支えた日本代表GK大迫敬介が得た自信と、対面する磐田GK川島永嗣から学んだこと(2)】川島永嗣のプレーから大迫敬介が感じ取ったもの
サンフレッチェ広島の勝利と共に、自信を取り戻した大迫敬介にとって、もう一つ、ジュビロ磐田戦は価値のある試合となった。それは対面する川島永嗣から感じ取った存在感だ。結果的に磐田は2-0で広島に敗れたが、川島は何度も広島のアタッカー陣に壁として立ちはだかり、終盤まで同点、逆転の希望を繋いだ。 ■【画像】浅野拓磨が来場! 広島戦に来場したエディオンピースウイング広島での「広島OB欧州組2ショット」■ 「反対側から見ていても、安定感というのをすごく感じましたし、やっぱり観ていても学ぶことが多かったです。僕も今回、代表に選んでいただいて、自分自身も日本代表としてのプレーを出したいと思っていたので。そういう意味では観ている人も楽しんでもらえるやり合いができた」 その川島が、この試合で見せた大きな仕事の1つが、1-0で迎えた後半の立ち上がりのビッグセーブだった。大迫のロングキックをシャドーのFW大橋祐紀がヘッドで前に流し、ピエロス・ソティリウから絶妙なラストパスを受けた東俊希がゴール左から左足で狙うが、川島が鋭く距離を詰めて、右足で弾き出したのだ。 これで一度は磐田に流れが傾きかけたが、広島は粘り強い守備で耐えて、また自分たちのリズムに引き込んだところから、ソティリウによる待望の追加点が生まれた。厳しいところをビッグセーブで1つ耐えて、チームに流れを呼び込むというのは4度のW杯を経験してきた川島がモットーとしてきた仕事の1つだ。
■「自分が我慢することで、勝点3を拾う確率が上がる」
大迫は「そうですね。ここ数試合、早い時間で2失点して、難しくしまうようなゲームが多かったので。先に点を取られこともあると思いますけど、そこでメンタル的には崩れずに、自分が我慢することで、勝点3を拾う確率が上がるので。永嗣のように、先に失点しても崩れないようなところはすごく今日、自分も学べた」と語る。 現在24歳の大迫が、そうした川島の領域にたどり着くのはまだ先のことかもしれないが、それでも日本代表のGKとしての自負もある。6月の代表シリーズに向けて、大迫は「いつも通りの自分を出すだけだと思いますし、チームのやり方と代表のやり方はまた違いますけど、自分の色というものをピッチでしっかりと出して、日本代表の力になりたい」と意気込む。そして代表での貴重な経験を改めて、愛する所属クラブに還元することを心に誓った。 「ここ数試合、自分が自分らしいプレーができていれば、間違いなく自分たちは上にいると思うので。そういう意味では、自分がチームに本当に迷惑かけたと思っているので。今日は少しチーム貢献できたと思いますし、自分は代表で1回離れますけど、また新しく刺激をもらって、さらに成長するきっかけになって、迷惑をかけた分、また還元していければと思います」 (取材・文/河治良幸)
サッカー批評編集部
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