安倍派事務方、領収書の受領拒否 還流の議員側申し出に
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、安倍派(清和政策研究会)の事務方がパーティー券の販売ノルマ超過分を還流した際、議員側が発行しようとした領収書の受領を拒否したケースがあったことが20日、関係者への取材で分かった。政治資金収支報告書に還流分を記載させず、裏金の存在を隠すためだったとみられる。東京地検特捜部は、派閥が主導し「裏金化」を進めたとみて捜査している。 関係者によると、事務方は還流分を議員側に現金で手渡しし「自由に使っていい。収支報告書に記載する必要はない」と説明していたとされる。 その際、受領を示す書面を書かせる一方、議員側が「収支報告書に記載したいので領収書を出したい」と申し出ても、断っていたという。受領を示す書面は、派閥側の記録として残すためだったとみられる。 関係者は「派閥からの寄付として収支報告書に記載すれば表の金になる。そうしたい議員がいるのに派閥は認めてこなかった」と話した。
会計責任者は特捜部の任意聴取に、こうした手法を説明し、不記載を認める供述をしている。